退屈すると、何か食べたくなるのはどうして?

Culture 2018.12.12

日曜の朝に甘いものが食べたくなる、映画を観る時にはポテトチップスが欠かせない、帰宅中にパンやチーズをつまむ……。退屈な時ほど、何か口に入れたいという欲望に屈してしまいがちなもの。 この現象にはいくつかの原因が考えられる。栄養士と栄養学専門医が疑問に答える。

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どうして何もしていないとお腹が空くの? photo:iStock

本能的な行動

まず、こうした空腹感は本当の空腹感ではないと理解しておこう。「何か食べたくなるとはいえ、これは生理的感覚ではありません。退屈している時には、胃ではなく頭が要求しているのです」と栄養学専門医のエリザベート・ミララは解説する。

「退屈というのは空虚な状態です。空虚感を感じた時の最も手軽な解決策は、身体的に空虚感を解消することです。食べ物に気持ちが向かうのはこうしたわけです。食べ物は、子どもにとってのぬいぐるみのようなものと言えるでしょう」。そう補足するのは、パリの栄養士・栄養学者、フローランス・ヴァクサンだ。

菓子パン、飴、チョコレート…… 確かに、セロリよりは砂糖の方に手が伸びやすい。「退屈している時、90パーセントの人が甘いものを食べたくなります。人間は本能的に甘いものを好みます。甘いものを食べると脳にポジティブなメッセージが送られます。脳はグルコースをエネルギー源とする臓器ですから」と、ヴァクサンは解説する。

辛党の場合は、チーズや塩味のおつまみが食べたくなる。しかしリスクは同じだ。「食べる時間はものの30秒、多くても5分程度です。食物を摂取することを1日何度も繰り返すようになると、体重が少しずつ増加する危険があります」とヴァクサンは警告する。

テレビの前で空腹感を覚える理由は他にもありそうだ。ヴァクサンはこう分析する。「普段、テレビの前でものを食べていると、食物摂取と娯楽が結びついてしまうのかもしれません」

習慣の問題

こうした感情的な食行動のメカニズムが、教育によって強化される場合もある。「習慣によって、食べ物は心を慰めてくれるものと捉えるようになる家庭があります」とミララは解説する。こうした習慣が幼少期にすでに定着していることもある。「赤ちゃんが泣くとすぐ哺乳瓶を与える家庭があります。赤ちゃんは泣いているのですが、必ずしもお腹が空いているわけではありません。そのうちに赤ちゃんは、食事を嫌なことがあった時に慰めてくれるものと見なすようになります」とミララは続ける。

「甘いものが無性に食べたくなる一因として、セロトニン不足も考えられます。セロトニンは、精神の安定に関わるホルモンです」とヴァクサンは言う。「セロトニンは私たちの元気の素です。しばしば不安な気持ちになってしまう時は、セロトニンの量が少なくなっているのかもしれません」。

甘いものを食べたいという、あの抑えがたい衝動が起こるのは、一般的に言って17~19時の間だ。セロトニンの量を補い、砂糖への欲求が沸かないようにするために、セロトニン量の増加を促進するサプリメントを摂ることをヴァクサンは勧める。

解決策

「お菓子の入った引き出しや棚を開ける前に、自分自身に問いかけてみては」とヴァクサンは助言する。「身体が飢えているから食べるのか、それとも頭が飢えているから食べるのか。後者であれば、別のことでこの時間帯をしのぐようにしてみましょう。何か行動をして、この空虚感を違った形で埋めればいいのです」。つまり、空虚感も気にならなくなるくらい、面白いことをしていればいいわけだ。

食事の時以外、まったく何も口にしないなんて無理!という人には、食事を小分けにして取ることをヴァクサンは勧めている。昼食時はメインだけ食べて、デザートは午後、何か食べたくなった時に食べる。また、少ない量で満腹感を得るためには、自分が食べているものについて、しっかり意識することが重要だとふたりの専門家は口を揃える。

では、板チョコ半分の代りにミカンを食べればいいかというと、そんなことをしてもダメ。「それでは何も解決されません。結局、お腹が空いていないのに食べ続けているわけですから、解決策になっていません」とヴァクサンは説明する。「ミカンの作用は、チョコレートに比べたらはるかに劣ります。ミカンを食べた後に、板チョコを食べることになるのがオチです」

texte:Agathe Hakoun (madame.lefigaro.fr)

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