10時になってもお腹が空かない、身体にいい朝食とは?

Gourmet 2018.09.13

フランスでは「朝食は王様のように食べよ」と言われる。朝食の大切さは理解できるが、どんな内容の食事ならいいのだろうか? 10時になってマドレーヌの誘惑に屈しないためには、朝食に何を食べるかが重要になる。栄養学とアンチエイジ専門の医師、アレクサンドラ・ダリュにアドバイスを聞いた。

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甘党も辛党も、大事なのはタンパク質、食物繊維、良質な脂質を摂ること。photo:iStock

10時45分におやつ休憩を取りたくならないように、きちんとした、そしてなるべく健康な朝食を摂る――これは目が覚めたばかりのあなたにとって、1日の最初の試練だ。健康な食事を摂るなんて当たり前、と考える人も実は今朝、全粒粉のタルティーヌ3切れとグレープフルーツという、せいぜい通勤時間しか持たないような内容だったりするのだから。

しかし、この目標を達成するのは決して難しいことではない。きちんと朝食を摂れば、午前中に空腹感を感じることだってなくなる。もちろん、自分に合ったメニューをしっかりと練ることは大事だ。また、クロスフィット・トレーニングを2時間するとか、朝食を6時に摂るという人については、話は別。私たちの体は5時間ごとに空腹を感じるようにプログラムされているのをお忘れなく。

大事なのは脂質、食物繊維、タンパク質。

というわけで、まずは、“健康な朝食“という概念をもう一度検討しておこう。何も塗っていないパン2切れ、カシューナッツ3粒、ぬるくなったレモンジュース――朝起きて食べているものがその内容なら、マドレーヌの袋を前に手がブルブル震えても仕方がない。”健康的な朝食”とは、食事量を抑えるとか、カロリーを減らすことでは決してない。身体の組織にとって有益な食物を摂取することが朝食の狙いなのだ。

実際には、空腹を感じることなく、1日持ちこたえられるだけの燃料を体に供給するためには、脂質、食物繊維、タンパク質、これら3つの栄養素を朝食できちんと摂取しなければならない。朝食にこれらの栄養素が十分に含まれていないと、すぐに空腹感を感じてしまうことになる。また糖分が多過ぎると、1時間は精力的に活動できても、その後に急激な倦怠感に襲われたり、無性に何か食べたくなったりしてしまう。

甘党のための朝食とは?

7時30分にコンテチーズのタルティーヌを出されて、誰もがよだれを垂らすとは限らない。甘いものの方が好きという人には、ポリッジ(オートミールのお粥)がおすすめだ。穀物はオーツ麦、そば粉、スペルト小麦など、栄養価が高くて糖質の少ない、未精製のものを選ぶようにしよう。未精製の穀物は食物繊維が豊富なため、血糖値や血液中の脂質濃度を調節する機能を果たしてくれる。またお腹の中で膨れるので、満腹感が得られる。

作り方は簡単だ。オーツミルクやアーモンドミルクなどの植物性ミルクに、穀物を浸して茹でる。食物繊維と抗酸化物質も摂りたいので、輪切りにしたバナナとドライレーズンを加え、最後にオメガ3(強力な食欲減退効果がある)を含むアーモンドとクルミを散らす。これにいつもの温かい飲み物、それとレモンジュースかオレンジジュースを添えればばっちりだ。

タルティーヌがDNAに組み込まれているという人は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で血糖値を上げにくい、良質の粉でできたパンを選ぶようにしよう。具体的には全粒粉かそば粉のパンを選ぶといい。朝に摂取すべき脂質をしっかり摂れるよう、パンには有機バターを塗り、さらにハチミツや自家製ジャムを塗れば、美味しいタルティーヌの出来上がり。これに、バナナを入れたヨーグルトを添えれば完璧な朝食だ。

辛党のための朝食とは?

塩辛い味が好みの人には、いろいろな組み合わせが考えられる。バターを塗った全粒粉パンのタルティーヌにチーズを添える。できれば、エメンタール、コンテ、あるいはボーフォールといった、タンパク質を多く含むハードタイプのものがいい。バターを塗ったタルティーヌに添えるものとしては、ほかに有機卵(目玉焼きでもスクランブルエッグでもお好みで)、あるいは鶏肉もいいだろう。

または、葉物野菜にアボカド、ニンジン、レモン、ショウガを加えたスムージーと、目玉焼きというメニューもおすすめだ。最後に、地中海式朝食というのはいかが? タルティーヌにオリーブオイルを塗って、フェタチーズとクルミを散らす。ビタミン補給のためにグレープフルーツかオレンジを添えよう。

どんなメニューを選ぶにせよ、着替えをしながら食べたり、子どもの髪を編んであげながら食べたりしないように。満腹感はまず口から始まる。それだけに、自分がものを食べているということを意識するのは大切なことなのだ。またそうすることで、自分だけの時間を自分にプレゼントすることにもなる。

texte : Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr)

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