映画を載せて飛ぶ、齊藤工のシネマバード in 沖縄。

Culture 2018.12.18

俳優、映画監督、写真家としても活躍する齊藤工が発案した「シネマバード(cinéma bird)」。劇場のない、そして災害などにより劇場がなくなってしまった地域の人々に、映画を観るという体験を届けるプロジェクトだ。

これまでに宮城県石巻市、福島県広野町、大分県豊後大野市、福島県南相馬市、熊本県山鹿市で開催。そして第6回目の開催地に決まった沖縄県うるま市では、7月にいちど台風の影響で中止となってしまったが、2018年11月10日(土)、天候にも恵まれ伊計島にて開催された。

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齊藤工自身によるウェルカムライブで来場者を迎え、シネマバードが開演!

開場とともに齊藤工自身がウェルカムライブで来場者を出迎えるという、粋な演出で始まった今回のシネマバード。映画上映前には、このプロジェクトに賛同して集まった、齊藤とさまざまな形で縁のある永野やミラクルひかる、カミナリによるお笑いライブが行われた。そして齊藤と古賀小由実(こがさゆみ)、豪起(ごうき)の3人による「cinéma birds」のライブにも観客がリラックスしながら聴き入り、ビーチの波の音と相まってゆるやかな心地よい時間が流れていた。

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伊計ビーチに設営されたステージに立つ齊藤ら出演者たち。天候に恵まれ、計800人の観客が来場した。

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左から、カミナリのふたり、永野、ミラクルひかる。「シネマバードにおける“笑い”は、実は最も大切なもの。永野さんとミラクルさんはほぼレギュラーでご出演いただいています。今回のカミナリさん含め、お客さんの感情・心の解放を担ってくださっています」(齊藤)

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「東京から来た我々が、沖縄にて、沖縄の大切な唄を奏でるという……おせっかいかもしれないけれど、“繋がれた”空間だったと思っています」(齊藤)

上映作品は、齊藤が企画・ストーリー原案・脚本、そして声の出演を務めた『映画の妖精 フィルとムー』(2017年)、そして『ワンダー 君は太陽』(17年)、『ベイビー・ドライバー』(17年)の計3本。上映する映画も、開催地に思いを馳せながら齊藤自身がセレクト。そして『映画の妖精 フィルとムー』は、このプロジェクトを象徴する存在ともいえるだろう。上映前に、齊藤はこの作品が生まれた経緯を来場者に話した。

「どうしても権利の問題などで映画が上映できなかったり、いろんな弊害がある国もあるんです。(17年にシネマバードを開催した)マダガスカルに関しては、“映画”という文化自体がなくて。初めて子どもたちが目にする映像はどんなものなんだろう、と考えて作ったのがこの『映画の妖精 フィルとムー』なんです」

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クレイアニメーション作品『映画の妖精 フィルとムー』。
●監督・脚本・編集/秦俊子
声の出演/斎藤工、板谷由夏
2017年、日本映画
8分

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言葉や文化、世代を超えて楽しめる、映画愛にあふれた作品だ。

その『映画の妖精 フィルとムー』は、製作を手がけたNPO法人World Theater Projectにより、いまも国内外のさまざまな地域に住む子どもたちの元に届けられている。スケジュールはTwitterなどで随時更新中だ。

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ベストセラー小説を映画化、ジュリア・ロバーツらが出演した『ワンダー 君は太陽』。「今年の僕のベストムービーですね。この映画に説明は不要です」と齊藤がコメント。
『ワンダー 君は太陽』
●監督・脚本/スティーブン・チョボウスキー 
●出演/ジュリア・ロバーツ、ジェイコブ・トレンブレイ 
●2017年、アメリカ映画 
●113分 

Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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エドガー・ライト監督『ベイビー・ドライバー』。「伊計ビーチの波の音にも負けないこんな音楽映画を上映したら最高に気持ちいいだろうな、と。沖縄での開催におけるイメージ映画となった作品です」(齊藤)
『ベイビー・ドライバー』
●監督・製作総指揮/エドガー・ライト 
●出演/アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ 
●2017年、アメリカ映画 
●113分 

映画上映後にはアーティストCharaによるライブも行われ、『スワロウテイル』(1996年)以来Charaと女優の伊藤歩が共演を果たすといううれしいサプライズも。「Charaさんのライブを聴いていて、今日1日のこの空間、この時間が細胞のひとつひとつに染み込んでいくような、どこか皆さんの身体の一部になっているんじゃないかな、と。後ろから見ていて、皆さんの背中越しにCharaさんの歌っている姿が見えて、なんて贅沢なんだろうと思っていました」(齊藤)

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Chara(左から2人目)のライブで、伊藤歩(左から4人目)も歌声を披露。

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手拍子で応える来場者たち。

最後に齊藤は、来場者にこう挨拶した。
「地元の方々がこの企画を受け入れてくれて、テクニカルスタッフもほとんど沖縄の方なんです。僕らが持ち込んだのは、映画の素材とゲストの方々と“自分たちも楽しみたい”という思いだけ。あとはここにいる皆さんが完成させてくれました。『終わらなければいいのに』という時間を過ごさせていただきました」

2019年にはシネマバードはどんな映画を載せてどこへ飛び立つのか、いまから期待が膨らむ。

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イベント終了後には、齊藤とゲストが揃って出口で来場者と握手やハイタッチを交わし、丁寧に送り出した。

*「シネマバード in 沖縄 2018」の様子が、沖縄テレビにて特番放送決定! 2018年12月28日(金)16:50〜17:45に放送予定。追加情報はシネマバード公式Twitterでも告知予定なのでぜひチェックしてみて。

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