マリア・カラス本人の視点に徹したドキュメンタリー。
Culture 2019.01.23
ポップスターばりに騒がれた、オペラ界の大輪の栄光と孤独。
『私は、マリア・カラス』
人間ドキュメントにありがちな関係者インタビューを一切割愛。カラスの発言や手紙、新発見の未完の自叙伝を通して、年代記風に心情を綴る。舞台上の喝采も、公私にわたるスキャンダル禍も、カラスの視点に徹した作り方。20世紀という「大衆・マスコミの時代」に、19世紀的な芸術至上、恋愛至上のロマン主義の神髄を身を灼くほどに演じ、生きた。「私は伝説じゃなく、人間臭い歌手よ」とカラスは語る。1958年パリ公演での、死に臨むヒロインの妙なる歌「清らかな女神よ」など、カラー高画質の初出し素材もうれしい。
『私は、マリア・カラス』
監督/トム・ヴォルフ
2017年、フランス映画 114分
配給/ギャガ
TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中
https://gaga.ne.jp/maria-callas
監督/トム・ヴォルフ
2017年、フランス映画 114分
配給/ギャガ
TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中
https://gaga.ne.jp/maria-callas
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