インスタのジャンクフード写真で若者の食生活が乱れる?
Culture 2019.03.26
イギリスの研究者たちによると、インスタグラムでジャンクフードの写真を見た若者たちは食生活が乱れる傾向があるという。
インスタグラムのジャンクフード写真は、10代の若者の不健康な食生活を助長している。Photo: iStock
インスタグラムに掲載されるコンテンツ、中でもジャンクフードに関するものは若者への影響が高い。イギリスで行われた研究調査によると、不健康な食品の写真を掲載することは、若者(特に10代前半)が加工食品や脂質・糖質が高い食品を消費するのを助長するという。本調査は米国小児科学会が発行する「Pediatrics」誌の今月号に掲載された。
リヴァプール大学の研究者たちは、SNS上の健康また不健康な食品のマーケティングが子どもたちの食生活に与える影響を研究することを目的に掲げた。9歳から11歳の子どもたち合計176名に、Youtubeの人気インフルエンサーたちによる偽インスタグラムサイトを見てもらう実験を行った。
176名の子どもたちは3つのグループに分けられ、インフルエンサーによる偽インスタグラムアカウントを閲覧した。第1グループは健康的なお菓子、2番目のグループはジャンクフード、第3グループは食品以外のコンテンツを閲覧した。これらの画像やビデオを見た後、子どもたちはお菓子を提供され、そこでは健康的なお菓子と脂質と糖分の高いお菓子が用意された。
結論はというと? ジャンクフードの画像にさらされた子どもたちはより多くお菓子を食べた。 彼らは第1グループより91キロカロリー多い448.3キロカロリーを消費した。また第2グループの子どもたちは、388.8キロカロリーのジャンクフードを摂取し、健康的なお菓子の一部は残した。一方で、健康的なお菓子の写真を見た子どもたちはお菓子が置かれたビュッフェコーナーに急ぐことはなく、お菓子の摂取量にまったく影響がなかったことが分かった。
2月下旬、ロンドン市長サディク・カーン氏は、子どもの肥満問題を抑制するため、市内の公共交通機関でのジャンクフードの広告を禁止した。 英国政府発表のデータによると、大学に進学する若者の3分の1は太りすぎ、または肥満であるという。
texte : Mélodie Castan (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi