芥川賞作家・朝吹真理子の少し不思議な初エッセイ集。

Culture 2019.10.12

原始的な欲求で非日常の扉が開かれていく。

『抽斗(ひきだし)のなかの海』

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朝吹真理子著 中央公論新社刊 ¥1,836

芥川賞作家・朝吹真理子の初エッセイ集。子どもは何でも口に入れて確かめるというけれど、この人は世界を舌で味わう人なのかもしれない。甘いお菓子が嫌いだったのは、口に入れた時の、身体が痺れていくような倦怠感に恐れ慄いたから。鉱物好きが高じて、雲母を舌先でなめ、かじる。その触感から開ける景色。ものすごくプリミティブに非日常の扉を開けていく。物語や音楽に身体ごとスルリと入り込む。空想とは違う。ただの生き物に戻れば、本当はどんな時間と空間を生きているのかを差し出してくれる。

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*「フィガロジャポン」2019年10月号より抜粋

réalisation : HARUMI TAKI

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