靴下を履いたまま寝てはいけない理由とは?

Culture 2019.12.21

気温がぐっと下がってきた今日この頃。寒がりの人は、布団の中での寒さ対策に分厚い靴下を用意しているのでは? これで睡眠の質が向上すると思ったあなた、それは大間違いかもしれない。

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睡眠時の体温変化を知って、靴下を利用したい。photo:Getty Images

靴下を履いて布団に入るのはとても心地いい。足元が暖かいとよく眠れると思う人は多いだろうが、専門家の中には逆の意見を唱える人もいる。疲労を回復させる良質の睡眠のためには、単に足を覆えばいいというものではないらしい。睡眠の専門家に詳しく解説してもらおう。

睡眠時に手足で体温を調節する。

神経学者で睡眠専門医のアレクサンドル・アランダはこう説明する。「ぐっすり眠るには、むしろ布団から足を出しておくべきだという研究結果もあります。足を出すことで体温が下がり、適温に調節されるのです。赤ちゃんはたいてい、足や手を布団の外に出して寝ていますよね」

実際のことろ、靴下は寝つきをよくし、睡眠の質を向上させてくれる。ただしそれは、布団に入る前に靴下を履いている場合。寒さは音や光と同じように「身体が危険だと感じる害」のひとつだとアランダ医師は指摘する。それゆえ「布団に入る前の30~90分」に靴下を履いておくのがおすすめだ。

その理由は実にシンプルだ。上述したように、スムーズに寝つくためには体温が適切に調節されなければならない。眠りにつくとき、私たちの身体は体内の温度を下げ、逆に手足の温度を上げる。「手足を温かくして血管を拡張させて、熱を逃すのです。ところが通気性の低い靴下を履いていると、体温が下がらなくなってしまいまうのです」とアマンダ医師は説明する。

ベストコンディションで眠るための準備を。

入眠をスムーズにし、睡眠の質をアップさせるには、寝る前の時間の過ごし方に気をつけて、睡眠の環境を整えることが特に重要だ。そのためにはもちろん、仕事のことやパソコンやスマートフォンの画面、ネガティブな考えといった「日中のストレス」を遠ざけることが大切だとアマンダは言う。「リラックスして、その日あった楽しいことを思い浮かべたり、気持ちが穏やかになるような本を読むといいでしょう」

また、夜遅くに夕食を摂ったりスポーツすることも避けるべき。「どちらも体温を上げる要因となり、寝つくのに時間がかかったり、寝つけなくなったりします」とアランダは指摘する。快適な夜を過ごすには「室温が16~19度の涼しい部屋で、季節によって布団か毛布を1枚だけ掛けて」寝るのが理想だ。

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texte:Agathe Hakoun (madame.lefigaro.fr)

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