Things to Do! 2020 かっこいいフェミニストになる。

Culture 2020.03.22

怖い? うるさい? そんなネガティブなイメージを覆す、かっこいいフェミニストたち。女というだけで受けている差別の構造を知り、声をあげよう。他人事ではなく自分のために!

文/山内マリコ 作家

女であるがゆえに味わうモヤモヤに、真正面から声をあげる勇敢な女性をフェミニストと呼ぶ。2019年東大入学式の祝辞で話題をさらった上野千鶴子は、大学教授としてアカデミズムの世界で女性学の分野を確立させた第一人者。多くの女性が彼女の本を読んでフェミへの理解を深めた。一方、本では届かない場所にこそ救うべき女性がいるのも事実。“日本でいちばん有名なフェミニスト”である田嶋陽子は、テレビという戦場にいまも立ち続ける。バッシングに耐えた約30年を経て代表作が再文庫化されるなど、ようやくその名誉が挽回され真の尊敬を獲得しつつある。

彼女たちが耕した土壌の上に今、第4波フェミニズム運動の花が咲いている。10年代に入るとSNSで女性が声をあげる機運が高まり、17年にはアメリカで#MeToo運動に発展。日本ではジャーナリストの伊藤詩織が性被害を訴える会見を開き手記を発表した。海外で活躍する彼女は令和のフェミヒーローだ。そして職場のヒールやパンプスの義務付け禁止を訴える#KuToo運動で署名を呼びかける石川優実は19年、英BBCの世界に影響を与えた「100人の女性」に選出される快挙!

2つの世代を繋ぐのが、バックラッシュの時代に闘い続けた作家の北原みのりだ。彼女の担当編集者で、フェミニズム専門の出版社を立ち上げた松尾亜紀子とともに、性暴力に抗議するフラワーデモを毎月11日に開催。フラデモの輪は全国に広がっている。

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上野千鶴子


1948年生まれ。社会学者・東京大学名誉教授・認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長。77年、京都大学大学院博士課程修了。女性学、ジェンダー研究のパイオニア。国内外の大学で研究、教鞭をとり、著書も膨大。近著に『女ぎらい ニッポンのミソジニー』(朝日文庫刊)、『上野千鶴子のサバイバル語録』(文春文庫刊)など。「女性学・フェミニズムとケア問題の研究と実践」で2011年度朝日賞受賞。19年、フィンランド共和国から、長年の男女平等への貢献に対する感謝状としてHän Honours受賞。https://wan.or.jp

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『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』

最新刊は、母娘問題、セクハラ、結婚・恋愛・子育て、性暴力など、いまの日本の問題について、田房永子と語り合った7時間が1冊に。入門書としても最適。
●大和書房刊 ¥1,650

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田崎陽子


1941年生まれ。英文学・女性学研究者。69年、津田塾大学大学院博士課程修了。英国に2度留学。76年より法政大学教授。「ビートたけしのTVタックル」などテレビでも活躍。2001年、参議院議員に。著書に『ヒロインは、なぜ殺されるのか』(講談社+α文庫刊)など。現在、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」準レギュラー。還暦を過ぎてシャンソン歌手として、また「書アート」作家として活動中。https://tajimayoko.com

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『愛という名の支配』

1992年初版、2005年に文庫化されたものを19年復刊。母親との関係など自分の人生の体験をもとに、フェミニズムについてわかりやすく解説した名著。
●新潮文庫刊 ¥649

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松尾亜紀子


1977年生まれ。エトセトラブックス代表・編集者。河出書房新社で書籍編集者として15年間勤めたのち、2018年に独立。フェミニズム専門の出版社を設立し、19年5月にフェミマガジン「エトセトラ」を創刊。https://etcbooks.co.jp

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「エトセトラ」

毎号新しい編集長がいま伝えたいテーマを特集。創刊号は漫画家の田房永子、2号目は作家の山内マリコと柚木麻子、今春発売予定の3号目は美容ライターの長田杏奈が責任編集。
●エトセトラブックス刊 左から、VOL.1¥1,100、VOL.2¥1,320

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石川優実


1987年生まれ。グラビア女優・ライター。2005年に芸能界入りし、14年の映画『女の穴』で初主演。17年末、芸能界で経験した性暴力を#MeTooし、19年より職場でパンプスを義務付ける性差別に反対する「#KuToo」運動を展開。世界中のニュースで取り上げられた。www.ishikawayumi.jp

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『#KuToo(クートゥー)ーー靴から考える本気のフェミニズム』


19年11月に初の著書を出版。自身の経験から#KuToo運動にいたる経緯が語られ、ツイッター上の誹謗中傷=クソリプに対する簡潔で見事な返しも収録。
●現代書館刊 ¥1,430

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北原みのり


1970年生まれ。プレジャーショップ「ラブピースクラブ」代表・作家。2019年、#MeToo#WithYouの声をあげる「フラワーデモ」を呼びかけた。性差別のない、性暴力のない、女性であることで苦しまない社会を目指している。著書に『毒婦。』(講談社文庫刊)、『日本のフェミニズム』『性と国家』(ともに河出書房新社刊)など。www.lovepiececlub.com

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伊藤詩織


1989年生まれ。ジャーナリスト・ドキュメンタリー制作者。2015年に元TBS記者の山口敬之から性的暴行を受け、被害届を提出。しかし不起訴処分となったことで、被害者を取り巻く司法や社会のブラックボックスに迫る手記『Black Box』(文藝春秋刊)を17年に上梓。また、民事訴訟を起こすことで事件
をオープンにし、19年12月、東京地方裁判所が相手方に賠償を命じたことで一審勝訴となり大きなニュースに。同年、ニューズウィーク日本版「世界が尊敬する日本人100」に選出された。www.opentheblackbox.jp

 

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Things to Do! 2020
世界はしてみたいコトであふれている。

いよいよ2020年。新しい年にやってみたいこと、目を向けてみたいことがたくさんある。トレンドがガラリと変わるファッションとメイク、新しい旅先やおいしいレストランの発掘、部屋の模様替え、これから出合う本や映画……2020年という年を楽しみながら、好奇心のままに、まだ見ぬ世界への冒険へと繰り出そう。

 

『フィガロジャポン』2020年3月号より抜粋
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photos:KATSUO SUGANO (CHIZUKO UENO), SONO AIDA (SHIORI ITO)

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