外出自粛中に気付いた、人間関係と日常の些細なこと。

Culture 2020.06.02

新型コロナウイルスの影響で外出自粛となるまで、私たちはこれほど多くの時間をひとりで、または家族と過ごしたことはなかった。このことは、これまでの常識を覆す大きな変化となるのだろうか? 学習指導コーチであるローゼン・タンペ氏が疑問を投げかける。

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自宅学習を通じて、親と生徒(子ども)の関係が試される。photo : iStock

新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する措置として、私たちの外出と社会的交流は厳しく制限され、人間関係から時間にいたるまで、再検討せざるを得なくなった。たとえば自分自身、または他者との付き合い方を見直したり、日常の些細なことについてあらためて注意を払ったりしている。

教師で学習指導コーチのローゼン・テンペ氏は、フランスでロックダウンが日常生活において人々の心にもたらしたことについて着目している。そのテンペ氏に話を聞いた。

――私たちは再び人間らしさを取り戻そうとしていると思いますか?

私たちは少しだけ、自分自身について再発見をしています。今回の経験から、生きることについて考えさせられました。そして私たちは皆、内向的な思考となり、心の痛みを抱えました。その心境から人間関係や人生の些細なことについても見つめるようになったのです。

たとえばある学生の母親が私にこう言いました。「毎日正午に食事の準備をします。これは過去15年間、一度も経験しなかったことです。食事の準備のため、午前11時30分に電話会議を抜けなければなりません」

――他者に対する関心というものは、急に高められるものでしょうか?

私たちは皆、うまくやっていくことに関心があるものです。親というものはすべてを完璧にこなしたいものですし、自分の子どもにとって自分は完璧な親でありたいと思っています。日常生活が制限され、自然回帰が求められています。うまくいく日もあれば、うまくいかない日もあります。

自宅が学校となったいま、親と生徒(子ども)との関係を再発見し、その関係性をより明確にすることができたことに関してはよいことだといえます。子どもは両親の仕事を知り、両親は子どもが学校で何をしているかを知ることができます。それは地に足がついた暮らしといえるでしょう。

――以前よりも他者に関心を高く持ち続けることができると思いますか?

それはわかりません。最初の1週間はパニックでしたが、2週目は多くの家族がそれぞれの生活リズムを整えるようになりました。その経験が今後、定着するかどうかは私たち次第かもしれません。

哲学者のフランソワ=ザビエル・ベラミー氏は自身のカンファレンスで、20世紀の問題であった個人主義は21世紀においても注意を払うべきである、と述べています。現代社会では、物理的そして精神的に何かに集中したり、注意を払ったり、話している相手と真に向き合ったりすることは容易ではありません。物事を進めるにあたり、私たちはゆっくりと時間をかけるべきか、それともまた以前のようなスピードに戻るべきか、いま一度考えてみる必要があります。

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texte : Judikael Hirel (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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