ナオミ・キャンベルがアナ・ウィンターを擁護。

Culture 2020.11.23

10月24日、「ニューヨーク・タイムズ」紙が発表した調査は、雑誌「ヴォーグ」アメリカ版の編集長アナ・ウィンターが有色人種の女性を「排除していた」と避難した。しかし、モデルのナオミ・キャンベルが急遽、アナ・ウィンターを擁護した。

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アナ・ウィンターは、雑誌「ヴォーグ」の「間違い」を個人的に認めた。photo : Getty Images

ブラック・ライブズ・マター運動は、ファッション業界や美容業界にも徐々に影響を与えている。ロレアル パリの新プレジデントであるデルフィーヌ・ヴィギュー氏は、トランスジェンダーモデルのマンロー・バーグドルフ(2017年、アメリカのヴァージニア州シャーロットビルで行われた抗議に関連したフェイスブック投稿で人種差別と白人の覇権を非難したことが原因でモデルを解雇された)に謝罪し、ダイバーシティ・アドバイザーという肩書きで彼女を再雇用した。そしてこの6月、アメリカ版「ヴォーグ」編集長であるアナ・ウインターが誤りを認める番となった。

「彼女は私のキャリアにおいて非常に重要な役割を果たした」

「ニューヨーク・タイムズ」は10月24日、ファッション界に君臨する女王アナ・ウィンターに関する調査を発表した。同紙は日々彼女の元従業員たちにインタビューを行った。コンデナストのアートディレクターでもあるアナ・ウィンターは、長年にわたって人種差別的な職場環境を維持してきたと証言する人もいた。18人の匿名情報筋によると、アメリカ版「ヴォーグ」は、従業員とモデルを採用する際、特に次のようなことを重視していたという。「細くて、白くて、裕福な家庭に育ち、名門校で教育を受けている」

これらの告発に直面し、アナ・ウィンターの指示によって1989年9月号で初めて表紙を飾ったナオミ・キャンベルはアナを擁護した。「初の表紙登場に、彼女が私のために戦わなければならなかったなんて考えもしなかったわ。彼女は私のキャリアと私の人生において非常に重要な役割を果たしたし、彼女は自分ができることとできないことについて正直だった」と述べた。アメリカ版「ヴァニティ・フェア」の編集長であるラディカ・ジョーンズもすぐに彼女を擁護した。「アナ・ウインターとの経験はポジティブなものでしかないわ。彼女は私の将来のビジョンをサポートしてくれたし、私が達成しようとしていることを理解し、私がそれを遂行するのを助けてくれた」と述べた。

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アナ・ウィンターによる謝罪。

アナ・ウィンターは6月上旬、手紙の中で従業員たちが感じた悲しみ、痛み、怒りに対して、共感を示した(その内容は「ニューヨーク・タイムズ」で有名人のゴシップを扱う「ページシックス(Page Six)」に掲載された)。彼女は続けてアフリカ系アメリカ人のスタッフたちについても言及した。「とりわけ黒人のスタッフメンバーに伝えたい」と書いている。さらに彼女は次のように書き加えた。「いま話題となっている苦しみ、暴力、不正が長い間存在していたことを承知しています。これを認識して行動に移す時がきました」

また、アナ・ウィンターは多様性に関する「間違い」を認めた。「つまり、『ヴォーグ』が黒人の編集者、作家、写真家、デザイナー、そのほかのクリエイターを発掘する十分な努力をしてこなかったことを認めます」。最後に、アナは「ヴォーグ」誌に黒人がほとんど登場しないことを後悔し、「黒人がヴォーグで働くのは現状難しい状況かもしれない」と書き綴った。

また、元従業員たちの声に耳を傾け、次のように呼びかけた。「私は彼らの提案とアドバイスを非常に重要視しています。これは我が国にとって歴史的な瞬間であり、特権と権威の立場にある私たちにとって、耳を傾け、反省し、謙遜すべき時です。また、行動を起こし、コミットしなければいけません」と彼女は結論付けた。

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texte : Adrien Communier (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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