2021年 第74回カンヌ国際映画祭 パルムドールに涙! カンヌ映画祭感動のフィナーレ。

Culture 2021.07.19

パンデミックによる中止、そして度重なる延期を経て7月6日にフランスで開幕したカンヌ国際映画祭。フランス「Madame Figaro」が現地の様子をレポートします。

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第74回カンヌ国際映画祭が幕を閉じた。閉幕式が行われるパレ・デ・フェスティバルの大階段を続々と上るスターたち。授賞式は感動に沸いた。

【写真】熱気と感動に包まれた最終日のカンヌ。

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『Titane』でパルム・ドールを受賞したジュリア・デュクルノー監督(左)。(カンヌ、2021年7月17日) photo : Getty Images

大スターにドレスアップした女優、人気俳優が続々とレッドカーペットに登場する。7月17日、第74回カンヌ国際映画祭の閉幕式がいよいよ始まる。ユーモラスなムードのなか行われた授賞式では、女性監督の作品が高く評価された。

『OSS』旋風

今回の映画祭で最後に上映された作品は『OSS 117 : Alerte rouge en Afrique noire』。監督のニコラ・ブドス、メインキャストのジャン・デュジャルダンピエール・ニネは、ブルーの小さなクラシックカーでカンヌの大階段前に乗りつけた。

「こうした素晴らしい機会を与えてくれたフレモー(映画祭実行委員長ティエリー・フレモー)に本当に感謝します」と語るのはジャン・デュジャルダン。「とても興奮しています。『アーティスト』でカンヌに来たのは10年前ですから」

新しい映画の撮影に取り掛かっているニコラ・ブドは「心ここにあらずですが、同時にここにいることを存分に楽しんでいます」と語った後でこう続けた。「大勢の観客にまたこうして会え、笑い声を聞けるかと思うと喜ばしい限りです」

その後、ジャン・デュジャルダンはナタリー・ペシャラと、ピエール・ニネはナターシャ・アンドリュースと、ニコラ・ブドは新恋人のポリーヌ・デモンと、3人それぞれパートナーと並んでポーズを取った。

パレ・デ・フェスティバルの大階段を上る前に、共演者のジャン=フランソワ・アラン、ファトゥ・ヌディアイ、ナターシャ・ランダンジェも合流。腕を組んで一斉に階段を上っていった。カンヌ映画祭のテーマ音楽であるサン=サーンス『動物の謝肉祭』第7曲「水族館」が会場に響く。このメロディを聞くのもこれが最後だ。

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カーテンコール

カンヌ映画祭最終日には、閉幕式に出席する多くのセレブが会場に集結した。ラメ入りのグリーンのクロップ・トップとスカートのセットアップに身を包んだ人魚のようなジェラルディーヌ・ナカシュ、アナ・ジラルド、ヴァンサン・ドゥレルム......。「とても感激している」と話すニコラ・モーリーは、「泣いてしまいそう」と興奮を露わにした。

アデル・エグザルホプロスは、2013年にアブデラティフ・ケシシュ監督作『アデル、ブルーは熱い色』で共演者のレア・セドゥとともに受賞したパルムドールの台座を壊してしまったことを明かした。「でもパルムは無傷よ。両親の家の本棚に飾ってあるわ。」

オーストラリア映画『Nitram』、イラン映画『Un héro』、タイ映画『Memoria』をはじめ、何点かのコンペティション出品作品をたたえて、レッドカーペットでカーテンコールが上がった。

2020年に初監督映画『Seize printemps』でカンヌ・レーベルを付与されたシュザンヌ・ランドンが階段を上っていく。そのすぐ後に、『Titane』に出演する父ヴァンサン・ランドンが、監督のジュリア・デュクルノーと共演者のアガト・ルセルとともに登場。さらに映画祭のアイコン、シャロン・ストーンが、レッドカーペットに驚きの再登場! 今回も熱狂的な喝采に迎えられ、麗しいイギリス人女優ロザムンド・パイクと並んで、晴れやかな笑顔を振りまいた。

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授賞作の発表

この日の夜、映画祭審査員団によって7つのパルム・ドールが授与された。女優賞は『Julie (en 12 chapitre)』でヒロインを演じたノルウェー人レナーテ・レインスヴェ、男優賞はオーストラリアのジャスティン・カーゼル監督作『Nitram』に出演したアメリカ人ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが獲得。脚本賞には『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督と大江崇允が選ばれた。

パルムドールに次ぐ賞であるグランプリは、アスガル・ファルハーディー監督作『Un héros』とユホ・クオスマネン監督作『Compartiment N°6』が同時受賞。パルムドールの栄冠に輝いたのは、ジュリア・デュクルノー監督作『Titane』だった。

「私たちの生活そして映画界でダイバーシティをより一層推進する必要があることをアピールし、また怪物を描いた映画を評価してくださった審査員団に感謝します」とジュリア・デュクルノー監督は涙を浮かべてスピーチした。

text : Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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