キャサリン妃40歳、女王の名にふさわしいスタイル。

2011年にウィリアム王子と結婚してからの10年間、ケンブリッジ公爵夫人は見かけよりずっと表現力豊かなワードローブをまとってきた。1月9日に40歳の誕生日を迎えたキャサリン妃、年々自分らしさを確立してきた、そのスタイルを振り返る。

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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のプレミアに、英国のクリエイター、ジェニー・パッカムのゴールドのパイエットドレスで登場したキャサリン妃。（ロンドン、2021年9月28日）photo: Abaca Press

限りなくメディアの関心を集めるスタイル、それはまさにキャサリン妃のもの。1月9日に40歳の誕生日を迎えた彼女のワードローブは、ウィリアム王子と交際を始めた2003年以来、実に多くの記事と分析がメディアを賑わせてきた。当時英国国民が発見したのは、ロウウェストのスリムジーンズにストレッチ素材の細身のシャツとおとなしいコートを着た、地味なスタイルの目立たない女子学生だった。

8年後の2011年、メディアはそのロイヤルウェディングを「世紀の結婚式」と名付けたが、彼女のスタイルに大きなインパクトを与えることはなく、英国の王室ウォッチャーたちも、スタイルアイコンの要素を見出すことはなかった。モードジャーナリストのジェス・カートナー＝モーリーは、ウェディングの数ヶ月後、「ザ・ガーディアン」にこのような記事を寄せている。「キャサリン妃は特にエレガントなわけではない。彼女の着こなしには、センスやクリエイティビティ、オリジナリティがほとんどない。（…）彼女のスタイルはアナ・ウィンターにではなく、編集者や読者に直接訴えるもの」。なぜなら、キャサリン妃のファッションは、自己表現のための手段。ことに、公式訪問の際によく使うものだ。

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ダイアナ妃のインスパイア

理想の嫁の器にぴったりはまるために苦労したキャサリン妃だが（一時はタブロイド紙がなかなか実現しないウェディングのせいで命名した「ウェイティ・ケイティ」というレッテルに対処しなくてはならなかった）、彼女は、スタイリングのために外交的なディテールを拠り所とした。そしてトレンドに従うのではなく、訪問する国々と、英国および王家の間の架け橋を実現している。

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初期のカナダへの公式訪問では、ケベック人デザイナーが起こしたロンドンブランド、アーデムのルックに、ロックアンドコーの楓の葉の形の赤い帽子を合わせ、女王から借りた、やはり楓の葉の形をしたダイアモンドのブローチを身につけた。一方で、出会ったことのない亡き義母、ダイアナ妃にインスパイアされたスタイルも多い。ダイアナ妃のお気に入りだったラヴァーズ・ノットのティアラをエリザベス女王の毎年恒例の外交ディナーや、2017年のスペインのフェリペ6世とレティツィア妃を迎えた公式晩餐会で身につけて目を引いたのも記憶に新しい。

何年もの間、ケーキサーバー形の襟、バルーンスリーブ、膝丈のプリーツのワンピース、水玉などのディテールで示されたダイアナ妃へのオマージュを、国民は温かい目で見守ってきた。1985年にダイアナ妃が着たのとほとんど同じ、ブルーに白い水玉のワンピース姿で、ジョージ王子をお披露目したのは、誰もが覚えているはずだ。

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スタイルの転換期

2020年代に入ると、キャサリン妃のワードローブは新しい局面を迎えた。スタイルは洗練され、ダイアナ妃のインスピレーションや、花柄の若い女性らしいディテールの比重は軽くなった。公式訪問では、キャサリン妃は、ストレートなワイドパンツ、小さなハンドバッグ、ロールネック、コート、お気に入りの大胆な色使いによるモダンなシルエットを好んでいる。

レッドカーペット上でも、より自分らしいスタイルへと進化している。例えば2021年9月28日にロンドンで行われた「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のプレミアで見せた、ジェニー・パッカムのパイエットとパールあしらいのゴールドのケープ付きロングドレスなど、トレンド感のあるアイテムを取り入れている。それは、未来の王妃、さらに広い意味で新世代の王家が、課せられた責任を引き受ける準備が整ったことを意味するよう。そこには、英国流であり、また英国を超えたモードへのひとつの考え方が見えるようだ。