時代の変わり目に読む、私のとっておきの一冊 ファッションでない観点で、世界の衣服事情に切り込むエッセイ。

Culture 2022.01.12

書物からもらったメッセージで生き方や価値観が変わることもある。クリエイター32人が、いま読み直したい本、薦めたい本とは?


佐久間裕美子

文筆家

ファッションでない観点で、衣服について考えてみる。

『ドレス・アフター・ドレス』

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中村和恵著 平凡社刊 ¥1,760

「“衣服”は、“ファッション”とは違う。ファッションに興味のない人でも、服を選ぶわけだし、ファッションという概念がほとんど存在しないような場所でも、服には文化が反映される。裸で生まれた人間が動物の毛や革を纏うことを学び、いまとなっては裸で歩くことはNGで、毛皮は野蛮だということになった。女性が好きな服を着ることができなかった時代があり、いまでも服装が制限、規制される場所も世界にはあるけれど、私たちは自己決定権を行使できる。ファッションでない観点から衣服を語り、知らない場所、知らない文化に連れて行ってくれる一冊」。世界の衣服事情に切り込むエッセイ集。

Yumiko Sakuma/1998年よりニューヨーク在住。カルチャー、ファッション、政治、社会問題まで執筆。近著に『Weの市民革命』(朝日出版社刊)

*「フィガロジャポン」2021年11月号より抜粋

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