名優たちがグルメと犯罪で大騒ぎ! 『フレンチ・ディスパッチ』第3章。

Culture 2022.01.27

ファンタジックな物語と色彩あふれる映像で観客をときめかせる映画作家ウェス・アンダーソン。最新作は、雑誌「フレンチ・ディスパッチ」に掲載された記事の裏話を4編のオムニバスにまとめるという映画×雑誌の夢のコラボ! 第3章「警察署長の食事室」では、フランスの名優マチュー・アマルリックがグルメな警察署長を演じ、相棒のシェフとともに誘拐犯グループと立ち向かう! 犯人グループには、シアーシャ・ローナンやエドワード・ノートンまで……。豪華俳優陣のコミカルな演技に魅せられながら、ここでは劇中に出てきたユニークな料理をカラフルに再現します。


ジェフリー・ライト演じるグルマンな記者が警察署長(マチュー・アマルリック)のオフィスを取材。目的は署長お抱えの名シェフの記事。しかし、署長の息子の誘拐事件が起きて……。ウェス・アンダーソンのフランス料理とフィルムノワールへの愛を、コミカルに描いた1編。犯人グループには、エドワード・ノートンやシアーシャ・ローナンも!

FD_SG-220127-frenchdispatch-chapter3.jpg

R5_VT282-220127-frenchdispatch-chapter3.jpg

---fadeinpager---

デビルドエッグ然り、ミートパイ然り、フランス料理というよりはアメリカ料理。フランス料理ならばウフマヨネーズやウフアラネージュ、仔羊肉の中にフォアグラやトリュフを詰め込んだものになるだろう。これらの皿はアンダーソン監督のイメージの中の料理だ。ただ、フランス料理は各国の影響を受けて成り立っていくもの。これもまた、ひとつのフランス料理の姿なのかもしれない。

RECIPE #1

メレンゲに詰めたカナリア色のデビルドエッグ

茹で卵をスパイスでカナリア色に染め、
ビーツや紫キャベツで極彩色のデビルドエッグに。
サクサクとした甘いメレンゲの台にのせた宝石箱のような前菜。

recipe01-220127-frenchdispatch-chapter3.jpgphotography: Aya Kawachi

【材料 18cm 1個分】
卵白…70g(2個分)
塩…ひとつまみ
グラニュー糖…100g
レモン汁…少々 
コーンスターチ…小さじ1
固茹で卵…5個
マヨネーズ…大さじ1
ディジョンマスタード…小さじ2
ビーツ、紫キャベツ、ターメリック、ヴィネガー、セルフィーユ各適量  

【作り方】
1. メレンゲを作る。ボウルに卵白と塩を入れ、ハンドミキサーで混ぜる。
2. グラニュー糖を3〜4回に分けて加え混ぜ、しっかり硬いメレンゲにする。
3. レモン汁、コーンスターチを加えてさらに2〜3分混ぜる。
4. オーブンシートを敷いた天板にのせ、ゴムべらで直径18cmの円形にざっくりと整える。上面の中央を少しへこませ、周囲を高くする。
5. 100度に予熱したオーブンで2時間焼き、そのまま中に入れておき、オーブンの熱が取れるまで冷ます。
6. ビーツ適量を水に入れて煮出す。紫キャベツは太めの千切りにして、熱湯に入れて茹で、キャベツを取り出す。煮汁を分けて、半分にヴィネガー少量を入れる。水にターメリックを加え混ぜる。
7. 6の色汁をそれぞれビニール袋に入れて茹で卵を入れ、1、2晩漬ける。
8. 卵を半分に切り、黄身を取り出し、マヨネーズ、マスタードを加え混ぜ、白身のカップに詰める。
9. メレンゲ上にセルフィーユとデビルドエッグを盛り付ける。

---fadeinpager---

RECIPE #2

ラムのミンチ、パイ生地包み

ラムのひき肉にクミンなどのスパイスとナッツを練り込んだミートパイ。
モロッコテイストを取り入れたパイは
架空の料理だけれど、リアルなフランスの味。

recipe02-220127-frenchdispatch-chapter3.jpgphotography: Aya Kawachi

【材料 18cm 1個分】
ラムひき肉…250g
冷凍パイシート(20cm×20cm)…2枚
ニンニク…1片
玉ネギ…1/2個
セロリ…1/3本
ニンジン…3cm
パン粉…1/2カップ
牛乳…大さじ3
塩…小さじ2/3
トマトペースト…大さじ1
オリーブ油…大さじ1
クミンシード(粒)…小さじ1

A[クミンシード(粉)、コリアンダー(粉)…各小さじ1 パプリカ…小さじ1/2 カイエンペッパー、ナツメグ、コショウ…各少々] 

ピスタチオ、アーモンド、クルミ…計30g
卵黄…1個

【作り方】
1. ニンニク、玉ネギ、セロリ、ニンジンはみじん切りにする。
2. フライパンにオリーブ油、クミンシード(粒)、ニンニクを熱し、みじん切りにした野菜を加えて中火で色づくまで10分程度炒め、冷ましておく。
3. ボウルにラムひき肉、2、パン粉、牛乳、塩、トマトペースト、Aのスパイスを加えて粘りが出るまで混ぜ合わせる。ナッツを加え、丸めて空気を抜き、冷蔵庫に入れておく。
4. オーブンシートの上にパイシートを1枚のせ、ひとまわり大きくなるように伸ばす。中央に3を乗せる。3の周囲に卵黄を刷毛で塗る。
5. もう1枚のパイシートを伸ばして4の上に空気を抜くようにしてのせる。18cmの円形になるよう余分な生地をカットする。周りを指で押して密着させる。表面に模様をつけ、中央に空気穴を開ける。卵黄を刷毛で塗る。
6. 天板にオーブンシートごとのせ、200度に予熱したオーブンで30〜40分焼く。

●レシピ製作:平野由希子/料理家、フード&ワインプロデューサー。フランス料理を軸としたレシピブックを多数出版している。2015年、フランス農事功労賞シュヴァリエを叙勲。
madameFIGARO.jpにて「平野由希子の季節のおつまみ」を連載中。
『フレンチ・ディスパッチ
 ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』

●監督・脚本/ウェス・アンダーソン
●2021年、アメリカ映画
●108分
●配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
●1月28日より、TOHOシネマズシャンテ、TOHOシネマズ新宿、ホワイトシネクイント/シネクイントほか、全国にて公開
https://searchlightpictures.jp/movie/french_dispatch.html

*「フィガロジャポン」2022年3月号より抜粋

>>特集トップに戻る

©2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

清川あさみ、ベルナルドのクラフトマンシップに触れて。
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
2024年春夏バッグ&シューズ
連載-鎌倉ウィークエンダー

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories