2022年パルムドール作品の主演女優、チャールビ・ディーンが32歳で急逝。

Culture 2022.09.02

女優として、モデルとして活躍していた南アフリカ出身のチャールビ・ディーンが8月29日、ニューヨークで急逝した。享年32歳。2022年のカンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作品、リューベン・オストルンド監督の『トライアングル・オブ・サッドネス(原題: Triangle of Sadness)』のヒロインとして注目を集め、人気が高まっているところだった。

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第75回カンヌ国際映画祭でのチャールビ・ディーン。(カンヌ、2022年5月22日) photo: Abaca

映画界は新星のひとりを失った。8月29日、チャールビ・ディーンの広報は、彼女が32歳の若さで亡くなったことを発表した。逝去地はニューヨークで、死亡の詳細はまだ明らかにされていない。

チャールビ・ディーンは、今年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したリューベン・オストルンド監督の『トライアングル・オブ・サッドネス(原題:Triangle of Sadness)』でヒロイン役、ヤヤを演じた。ヤヤは自分のイメージとキャリアに執着するスーパーモデル兼インフルエンサーで、同じくモデルのボーイフレンドと豪華クルーズに参加する。

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チャールビ・ディーンは1990年に生まれた。出身は南アフリカのケープタウンで、早くも6歳には広告やカタログのモデルの仕事を始めている。順調にキャリアを積み、12歳で南アフリカのモデルエージェンシー、アルファ・モデル・マネージメントと契約した。通信教育で学びながらケープタウン、東京、ニューヨーク、ロンドンなどを飛び回り、やがて人気モデルとして高級ブランドの仕事をするようになる。インド版「ヴォーグ」誌、ドイツの「マイセルフ」誌、スウェーデンのメディア「プラザ」など多くの雑誌にも登場し、2022年6月にはパリ生まれのブランド、アミ パリスの「クール・サクレ」コレクションに参加、サクレクール寺院前に設けられたランウェイを歩いた。

 

 

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映画とカルチャーと

アートファンのチャールビ・ディーンは、ピエール・シュミット、アニエラ・ソビエスキー、ルビー・ファーバーなどの現代アーティストの作品がお気に入りで、定期的にインスタグラムに写真をアップしていた。俳優デビューは2010年、ドノヴァン・マーシュ監督による南アフリカの映画『スパッド(原題:Spud)』で。その後、ロエル・レイネ監督の『デス・レース3 インフェルノ』、リック・ビーバー監督のホラー映画『ドント・スリープ 蘇る悪夢』、ペリー・ラング監督のドラマ映画『インタビュー・ウィズ・ゴッド(原題:An Interview with God)』に出演した。一躍有名になったのはDCコミックのテレビ実写ドラマシリーズ『ブラックライトニング』で2シーズンにわたり、ショーニド役を演じてからだった。

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衝撃的で悲しい出来事

今年、チャールビ・ディーンは最高の体験をした。主演作『トライアングル・オブ・サッドネス(原題:Triangle of Sadness)』でカンヌ国際映画祭へ行き、レッドカーペットを共演のハリス・ディキンソン、ウディ・ハレルソンや、監督のリューベン・オストルンドとともに歩いたのだ。この作品で2度目のパルムドールを受賞したスウェーデン人監督は哀悼の意を込めて撮影時の彼女の写真をインスタグラムに投稿した。「チャールビの突然の訃報は衝撃的で悲しい出来事だ。彼女と知り合い、一緒に仕事ができたことを光栄に思う」と記し、「同僚や撮影チーム全員を元気づけるような」気遣いと感性の持ち主だったことを述べ、彼女のフィアンセだったルークにも思いをはせた。

SNSでチャールビ・ディーンは以前、こんな文を投稿していた。「脚がなくて移動できず、生涯、空で羽を広げていなければならない鳥がいることをご存知ですか?」と。そしていま、彼女は惜しまれつつも空へ去った。

text: Leonie Dutrievoz (madame.lefigaro.fr)

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