自転車でアートを堪能。南フランス、シャトー・ラ・コストへ。【lukaが旅する小さな世界。シャトー・ラ・コスト編】
Travel 2025.10.16
モデル・写真家のlukaが2025年夏、約2ヶ月をかけてロサンゼルスやニューヨーク、ロンドン、パリといった世界の都市を巡る。訪れた街をlukaの感性で捉え、文章で綴るスペシャル連載。ニューヨークを後にして、南フランス、エクス・アン・プロヴァンスの郊外にあるシャトー・ラ・コストへ。
自転車で駆け抜けるアートな時間。南フランス、シャトー・ラ・コストへ。。
文:luka
イタリアを何ヶ所か巡り、次の目的地は南仏エクス・アン・プロヴァンスの郊外にあるシャトー・ラ・コスト。
安藤忠雄設計のアートセンター。
広大なブドウ畑として知られているけれど、実際に行ってみるとワイン・芸術・建築・食が全部つながっている贅沢なアートセンターだった。
杉本博司「Mathematical Model 012 Surface of Revolution with Constant Negative Curvature」(2010年)。
約200ヘクタールの敷地の中には安藤忠雄のアートセンターを中心に、ジャン・ヌーヴェル設計のワイナリー、フランク・ゲーリー設計のミュージック・パビリオンなどの建築がある。さらには杉本博司、ルイーズ・ブルジョワ、リチャード・セラら、現代アート作品が自然に溶け込んでいて、建築やアート好きにはたまらない空間となっている。
自転車をレンタルして広大な敷地内を散策。
敷地はとにかく広いので、まずは自転車を借りて回ることに。自転車を走らせると、池の水面にはルイーズ・ブルジョワの巨大な蜘蛛、坂を登った先には安藤忠雄の礼拝堂が現れる。壁や屋根のない美術館を走り抜けているような不思議な感覚に襲われ、何時間いても飽きない。
ルイーズ・ブルジョワの蜘蛛の彫刻「Crouching Spider」(2003)。
探索途中に立ち寄れる敷地内のレストランも素晴らしく、ワインを頂くのもまた格別。広大な景色を眺めながらゆったり味わう時間は、アート巡りの合間の小さなご褒美のようだった。
シーン・スキャリー『Wall of Light Cubed』(2007年)。
2016年には敷地内にヴィラ・ラ・コストというラグジュアリーホテルが開業され、滞在型の体験も可能になった。次回はヴィラに宿泊して、ゆっくりと過ごしたい。
シャトー・ラ・コスト
2750, route de la Cride
13610 Le Puy Sainte Réparade
Luka 写真家/モデル
1998年、東京都生まれ。モデルとして広告や雑誌、MVなどで幅広く活動するほか、10代の頃から本格的に写真を撮りはじめ写真家としても活動する。2025年3月に写真展「Morocco 2017 - 2025」を開催。雑誌やファッションブランドのヴィジュアル撮影も行っている。
photography & text: Luka