セレブブームに全盛期だったお騒がせスターたち、アラフォーになった現在は?
Culture 2022.10.04
文/さかいもゆる
パリス・ヒルトンやリンジー・ローハンなど、若手セレブが注目された2000年代初期は、海外セレブブームの全盛期。日本でもセレブのゴシップ誌がたくさん創刊され、ファッショントレンドは完全にセレブ発信。そんな時代に活躍していたセレブたちもいまやアラフォーに。彼女たちの、気になる現在の姿をチェック。
「That’s Hot(それってイケてる)」が口癖の、ヒルトン・ホテル創業者の曾孫のお嬢様、パリス・ヒルトン。2003年に映画プロデューサーのリック・ソロモンとのセックス・テープが流出したことで一気に有名になり、親友のニコール・リッチーと出演したリアリティ番組『シンプルライフ』でブレイク。日本でもサマンサ・タバサのイメージモデルを務めるなど、世界的な人気セレブに。しかし2006年には酒気帯び運転で逮捕され、その後もコカイン所持で逮捕されるなど、問題行動続き。
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そんなパリスは、元親友で自分の引き立て役だったはずのキム・カーダシアンの方がいつの間にか国民的スターとなってしまい、いまや過去の人だという認識だった日本人は多いはず。だがそれは全くの誤解で、ビジネスセンスがあった彼女は、いままでプロデュースしたアパレルや香水ブランドなどの事業により、世界での売上高が約4400億円(!)もあり、莫大な資産を築いている。両親より資産があるというから、大したものだ。さらにはDJとしてのキャリアも順調で、2015年には世界で最もギャラの高いDJとなり、ひと晩で約1億1千万円の出演料をオファーされたこともあるという腕前。
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そしてプライベートでは、アラフォーになっても落ち着く気配のなかったパリスが、過去の3度の婚約破棄の末、2021年、40歳にして、起業家のカーター・リウムとゴールイン。同年8月にはNetflixで料理番組『パリスとお料理』が配信され、着飾ったパリスがラインストーン付きのフライ返しを使って何にでもカラフルなチョコスプレーをふりかけて慣れない料理にチャレンジする様子が大ウケした。
結婚後は「お金儲けよりも赤ちゃん作りにフォーカスしたい」と語っていたパリスだけど、夫のカーターは挙式わずか5日後に隠し子がいたことが発覚。これからもまだまだウォッチしがいがありそうな予感。ちなみに、パリスの妹ニッキー・ヒルトンは世界の金融を牛耳るロスチャイルド家の御曹司、ジェイムス・ロスチャイルドとスーパー玉の輿婚を果たし、今年7月には第3子を出産。姉とは対照的な、地に足ついた人生を送っている。
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もうひとり、2000年代初期のセレブといえば外せないのがリンジー・ローハン。スターの登竜門であるディズニーチャンネルで人気子役としてブレイク。その後も2004年の主演映画『ミーン・ガールズ』など数々の作品に出演し、ティーンアイドルとして君臨。
そんな成功の影で、アメリカではまだ飲酒禁止の20歳にしてアルコール依存症であることを告白、その後アルコールとドラッグ依存のリハビリ施設への入所を繰り返すようになる。パリス同様、薬物と飲酒運転で事故を起こして逮捕され、もはやこの時代のヤングセレブは逮捕されるのが当然のような風潮に。2011年にはブティックでネックレスを万引き、その後も暴力や当て逃げなど、犯罪のオンパレードで、スターダムから転落して行く。
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2016年には婚約者だったロシアの大富豪の息子、エゾール・タラバゾフからDVを受けていたことを告白してプライベートでのトラブルが心配されたが、今年7月の36歳のバースデーにはドバイの銀行マン、ベイダー・シャマスとの結婚を発表。今年11月に配信されるNetflixの映画『Falling For Christmas(原題)』に続き、Netflixのロマンティックコメディ映画『Irish Wish(原題)』に出演することも決定している。
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波瀾万丈だったリンジーだが、その背景にはいわゆる毒親である、母親の影響がある。ステージママだった母親のディナ・ローハンはコカイン中毒で、リンジーに暴力を振るうことも。2020年には借金の滞納で家が差押になったり、去年59歳で飲酒運転で逮捕されたりと、娘以上のお騒がせぶり。それでもリンジーは母を愛し、2020年にディナが会ったこともないSNSで知り合った男性と婚約した際に、「私がいままで独身でいたのは、ママのため。ママは一生ひとりだと思っていたの」と告げたというから、そのけなげさに泣けるではないか。
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かたや裕福なセレブファミリーで育ち、家族に頼らずとも自力でビジネスを拡大して稼ぐ能力に恵まれたパリス。それに対し、リンジーは問題を抱えた両親を持ち、家族のために働いて、そのプレッシャーに押し潰されて薬物やアルコールに溺れ、トラブル続きの人生。それでも、そんなふたりが同時期に世間にまた注目されるようになり、Netflixで再起する。これは偶然ではなく、2000年代初期に流行ったトレンドがリバイバルしている、「Y2K」ブームの影響なのだろうか。
text: Moyuru Sakai