微妙な立ち位置を物語る? ハリー王子夫妻の新しいポートレート。
Culture 2022.10.05
エリザベス女王が亡くなる数日前に撮影され、今週10月3日(月)に公開されたハリー王子とメーガン夫人のポートレート2枚を、ボディランゲージ専門家ステファン・ブナールが分析した。
メーガン夫人とハリー王子の新ポートレート。Instagram @misanharriman
友人で写真家のミサン・ハリマンのレンズの前で、手をつなぎ、ポーズをとるメーガン夫人とハリー王子。エリザベス女王が亡くなる数日前に開催された「ワンヤングワールド」サミットのためにマンチェスターを訪れた際のひとコマである。
髪を後ろでポニーテールにしたメーガン夫人は、Another Tomorrow(アナザー トゥモロー)のアメリカンネックのシルクブラウスと流れるようなパンツの赤いモノトーンの服を着た。シルクのスカーフとゴールドのイヤリングで、アンサンブル全体を飾った。傍らには紺のスーツに身を包んだ夫のハリー王子がいる。
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ボディランゲージの専門家で、『Vos gestes disent tout haut ce que vous pensez tout bas(仕草は考えを物語る)』(1)の著者であるステファン・ブナールは、「この写真から推測するに、ふたりは独立した暮らしを送るでしょう。メーガン夫人は“カーダシアン”のように、アクション、ダイナミズム、そしてちょっとした目立ちたがりの代名詞であるフェラーリの赤をあえて身にまといました。また、首を少し右に傾けているのは、警戒心を表しており、小さな笑みを浮かべているのは、満足感を少し隠している証拠です。彼女の姿勢には、何かとても研究された、コントロールが感じられます」と述べた。
そしてハリー王子はどうかというと? 「彼はずっとリラックスしています。顔の左側を見せ、微笑んでいます。そして、目も笑っているのでその笑顔は本物です。これはいわゆる「デュシェンヌ・スマイル(本物の笑顔)」と呼ばれるもので、自発的な幸福の表現と言えます」と同氏は述べた。社交辞令的な笑顔が口の筋肉だけを使うのに対し、デュシェンヌ・スマイルでは、目がきらきらと輝き、頬が上がってくる。
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「メーガン夫人が主役でハリー王子は彼女に従う」
ひとつだけ確かなこと:彼によると、新しいハリー王子夫妻のポートレートは、メーガン夫人のブランドを押し出しているということだ。「この新しいポートレートで印象的なのは夫婦ではありません。スポットライトが当たっているのはメーガン夫人です。彼女が主役であり、王子である夫のことは気にせず、夫は彼女に従っています」とステファン・ブナールは続ける。「ハリー王子はより支配的な立場であるにもかかわらず、彼女の左側に立ち、まるで小道具のようです。確かにメーガン夫人は彼に寄り添っていますが、台座付きテーブルがそこにあるのと変わりません。アメリカの女優のきらびやかさとイギリスの貴族的で洗練された華やかさの間で綱引きが行われ、メーガン・マークルが勝利したのです」。
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「未来の英国王とその妻」
また、イギリスとナイジェリアにルーツを持つ写真家、ミサン・ハリマンは、サミットの開会式直前に撮影したふたりのポートレートを公開した。ハリー王子とその妻メーガン夫人は、手をつないだまま地平線を見つめる横顔で登場した。
「未来のイギリス国王夫妻という印象を受けますね。ここでは、メーガン夫人はもっと背景にいて、彼女はより妻らしい印象です。手前にいたとしても、存在感は控えめでしょう。実際、このショットでは、不安そうな夫よりも安心しきっているように見えます」とボディランゲージの専門家は言う。「このふたつの新しいポートレートは拮抗しています。一枚目はメーガン夫人がひとりで生きていけることを示し、2枚目はある種の柔軟性を表現し、彼女が完璧な妻になり、大きな世界に適合し、キャサリン妃のようになれることを示そうとするものです」と続けた。
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ハリー王子夫妻に近いミサン・ハリマン
黒人差別撤廃運動で最も発言力のある写真家のひとりであるミサン・ハリマンは、過去にもハリー王子夫妻とその家族の画像を何枚か公開している。第2子を妊娠中のメーガン夫人が草むらに横たわり、ハリー王子が愛おしそうに見守るショットは彼が手がけた。リリベットの1歳の誕生日に撮った最初の写真も、ミサン・ハリマンが撮影したものである。
(1) Vos gestes disent tout haut ce que vous pensez tout bas(著者:Stephen Bunard、発売日:2018年3月8日、発行元:SoBook、270ページ、価格:20ユーロ)
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi