ブラッド・ピット、離婚をどのように乗り越えたかを語る。
Culture 2022.10.18
58歳の俳優ブラッド・ピットは、フィナンシャルタイムズのコラムで、アンジェリーナ・ジョリーとの離婚後、プライベートの問題を解決する上で力になった彫刻と友人たちの存在について語った。

ハリウッドで名声を得た彼は現在、彫刻家になった。9月17日(土)、フィンランドのタンペレにあるサラヒルデン美術館で、ブラッド・ピットはふたりの友人、イギリスの画家兼彫刻家であるトーマス・ハウスアーゴとオーストラリアのロックスターであるニック・ケイヴとの合同展示会で、9つの作品を発表した。
---fadeinpager---
今週水曜日、10月12日に公開されたフィナンシャルタイムズとのインタビューで、58歳の俳優ブラッド・ピットは新たな余暇の過ごし方、そしてアンジェリーナ・ジョリーと別れた後、ふたりの友人が支えとなったことについて語った。トーマス・ハウスアーゴとシェアする複雑な想いについて次のように語った。「お互いの惨めさを笑いに変えました。この惨めさのおかげで、私の人生に喜びの炎が生まれたのです。いつか彫刻家になりたいと思っていたし、ずっと挑戦したいと思っていたのです」。
ふたりの男性との出会いは、2016年の大晦日のパーティー中にさかのぼる。当時、ピットはアンジェリーナ・ジョリーと別れたばかりだった。一方、トーマス・ハウスアーゴはメンタルヘルスの問題を抱えていた。お互いの脆弱性がきっかけとなり、ふたりのアーティストはともに多くの時間を過ごすようになった。ブラッド・ピットがトーマスを友人のニック・ケイヴに紹介したのもこの時期で、ニックもまた困難な時期を迎えていた。その1年前、彼は15歳の息子アーサーを失った。アーサーはLSDを摂取した後、ブライトンの崖から誤って転落したのである。そして悲劇が再び起こった。2022年5月9日、ニック・ケイヴはもうひとりの息子ジェスロを亡くしたことを発表し、死因については明かさなかった。
---fadeinpager---
「どこから人間関係の失敗が始まったのだろう」
仲間に支えられながら、ブラッド・ピットはアートを通じて、厄を払おうとしてきた。彼の作品は「自己反省」を形にしたものだ。「自分の人生を振り返り、人間関係の失敗がどこから始まったのか、どこに失敗があったのか、自分自身の失敗に目を向けていました」と彼は振り返る。「すべては自らの棚卸しから生まれました。自分に本当に残酷なほど正直だったせいで傷つけてしまった人々のことを思っていました」。
アンジェリーナ・ジョリーは、2016年9月14日、プライベートジェット機の機内で、ブラッド・ピットが自分と子どもふたりに身体的暴行を加えたと告発している。しかしながら、利害関係者は否定している。CNNに送った声明では、ブラッド・ピットはこの疑惑について「まったくの虚偽」であると述べている。
---fadeinpager---
「自分以外のものになるのは疲れる」
それが事実かどうかは不明だが、この暴力沙汰がきっかけで、ハリウッドを代表するカップルは破局を迎えることになった。薬物とアルコールの依存症に悩まされたブラッド・ピットは、当初6人の子どもたちとの面会を拒否された(現在は断酒している)。「年齢を重ねるごとに、自分らしくいられる友人関係に安らぎを感じ、プライベートな時間もそうしたいと思うようになりました。自分が感じる痛み、喜び、美しさと共に前進しなければなりません」と友人のサポートが支えとなったことをフィナンシャルタイムズ紙に語っている。
近年、彼のキャリアは復活したが、ブラッド・ピット本人は著名人、俳優として直面する社会的プレッシャーを悔やんでいる。「自分以外のものになるのは疲れます」と彼は言う。「私の職業は、クリント・イーストウッドのように全てをうちに秘め、どんなことにも対応ができ、弱さを見せては行けません。父や父より上の世代の役者たちも同様ですが、大変だなと思うのです」と語った。
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi