KCONで初来日、あのミン・ヒジンが育てるNewJeansを見た!

Culture 2022.10.26

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2012年より開催されている世界最大級のKカルチャーフェスティバル、「KCON」。過去にはBTSやTWICEも出演したこともあり、新人から実力派までが舞台を沸かせ、多数出展するコスメや食も楽しめる祭典だ。4万1千人を動員した今年は、日本発のグローバルボーイズグループJO1、ロエベのブランドアンバサダーにも就任したばかりのNMIXX、最新曲でヒットを飛ばすIVEやLE SSERAFIM、TOMORROW × TOGETHER、Kep1erなど大注目のアーティストが登場した。

なかでも、注目したいのが今年8月にデビューしたばかりの5人組ガールズグループ、NewJeans(ニュージーンズ)だ。グループ結成時、一番最初に決定したミンジ、グループ唯一の外国人メンバーのベトナム人 ハニ、幼い頃からモデルとしても活躍しているダニエル、猫のような大きな目が印象的なヘリン、マンネ(末っ子)ながらも大人びた雰囲気のヘインからなる5人組。
今回、日本で初めて舞台に立った彼女たちは、スーパーボールが弾むように元気いっぱいに登場し、デビュー曲の「Attention」と「Hype Boy」を披露した。

 

デビュー曲「Attention」と「Hype Boy」でビルボードに6週連続でチャートインを果たした。

グループ誕生に合わせて立ち上げられた、HYBEの新レーベル「ADOR」からのデビューと、早くから注目を浴びていたNewJeansには、戦略的な施策があった。デビューミニアルバム『NewJeans』の収録曲4曲すべて、MVを公開。再生回数をタイトル曲に集中させることで、一気に彼女たちの魅力と世界観をアピールした。仕掛けたのはKポップファンなら知る者も多い、ミン・ヒジンだ。

 

Instagramの1投稿目には、グループの世界観とミン・ヒジンの思いが投稿された。

ミン・ヒジンは長きにわたりSMエンターテインメントの敏腕ディレクターとして知られ、少女時代をはじめ、f(x)、EXO、Red Velvetのディレクションを行い、多くの人がKポップを知るきっかけを作った。HYBEに籍を移してから、レーベルADOR(All Door One Room)を立ち上げ、時代を問わず、幅広い世代に愛されるジーンズ(Jeans)のように永遠のアイコンになる、新しい遺伝子(Genes)という覚悟の意味をこめた「NewJeans」を今年8月にデビューさせた。

 

コミュニケーションアプリ「Phoning」は、ガラケーを彷彿とするデザイン。

 

グループの紹介とともに、世界観をも表現した動画は必見。

SMエンターテインメント時代から、アナログ要素と最新のテクノロジーをクロスオーバーさせるのが、ミン・ヒジンがつくり出すクリエイティブの魅力のひとつだ。それは、NewJeansの施策にも反映されている。
メンバーとファンが1つの携帯電話を共有するというコンセプトで、HYBEが独自開発したコミュニケーションアプリ「Phoning」には、メンバーとテレビ電話のように使用できるリアルタイムライブや、チャット、彼女たちの活動を確認することができるカレンダーなどの機能がある。デビュー後すぐに配信されたYouTubeでは、横・縦型の動画が配信され、メンバーの自己紹介とともに、グループが表現するコンセプトを魅力的に伝えている。横型の動画から縦型の動画への切り替えは見事で、アナログライクな映像と落書きのような手書きデザインを上手く融合。90年代を彷彿とさせるクリエイティブは、あえてフィルムカメラやガラケーを好むZ世代の心を掴むだろう。

ミン・ヒジンの凄さは、戦略やビジュアル部分だけでない。NewJeansのステージから見てとれるように、瑞々しく自然な10代の少女たちが持つ清らかさも大切に育てられていることがわかる。楽しく、明るく、エネルギッシュで健康的なチームを目指したというグループが発する独特の空気感は、今回のKCONの観客席までしっかりと伝わってきた。

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有明スタジアムに集まったファンを虜にしたNewJeansの今後の活躍から目が離せない。

競争の激しい韓国社会を生き抜くのは、並大抵ではない。ここ数年での世界的Kポップブームは、アイドルに負担をかける時もあるだろう。
ミン・ヒジンが娘のように見守る少女たちは、どのように美しく世に羽ばたくのだろうか。その先に見える景色は、青空の下に広がる草原であってほしい。

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