「隠しトラック」も収録!? 夏の終わりに聴きたい新作アルバム3選。
Culture 2025.08.31
モロッコ出身で、伝統音楽を自身のスタイルで昇華するAmi Taf Ra(アミ・タフ・ラ)、シカゴを拠点とするバンド、Case Oats(ケース・オーツ)、来日公演を2日で完売させたLaufey(レイヴェイ)らが、続々と新作アルバムをリリース。レイヴェイの『A Matter of Time』のLP盤には7インチレコードが隠されていることを本人が告白! 国内盤CDにも「隠しトラック」として収録されているので、ぜひ手に取ってみては?
北アフリカの薫り漂う、美しきデビュー作。
『ザ・プロフェット・アンド・ザ・マッドマン』
アミ・タフ・ラ

エキゾティックな雰囲気を持ちながら、透明感のある音楽を奏でる。モロッコ出身でロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライターのベースはジャズだ。カマシ・ワシントンがプロデュースを手がけ、ブランドン・コールマンなども参加していることから、スペイシーなスピリチュアルジャズのイメージが湧くかもしれない。しかし、時には流麗なオーケストラが壮大に鳴り響くなど、ジャンルを超越した音世界は想像の幅に収まらない。何より儚くも芯のある歌声が魅力的。
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フォーキーで個性的、ノスタルジックな音が響く。
『ラスト・ミズーリ・エグジット』
ケース・オーツ

アコースティックギターをかき鳴らしながら歌うボーカリスト、ケイシー・ゴメス・ウォーカー率いる5人組の待望のデビュー作。ペダルスチールやフィドルといった楽器を取り入れ、カントリーやフォークなど伝統的なアメリカンサウンドを基軸に、手堅いアンサンブルを聴かせる。アーシーで牧歌的なイメージもあれば、時折ソリッドな感覚も顔を見せるのが彼らの特徴。日常を描写した私小説的な歌詞も評価が高く、レイドバックしたバンドでありながら、現代社会の視点を感じさせる稀有な存在だ。
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普遍的な魅力に満ちた落ち着いた歌声。
『ア・マター・オブ・タイム』
レイヴェイ

ジャジーでシルキーな極上のポップス。王道でありながら、これがいま新鮮だと思わせてくれるのが、アイスランド出身のニュースターだ。昨年グラミー賞を受賞したことからもわかるように世界レベルの実力を持っており、クラシックやジャズをバックボーンに持つ奥深い音楽性に惹きつけられる。贅沢なオーケストレーションを駆使しながら、ボサノバやカントリーといった繊細なテイストを交えた楽曲群のクオリティは非常に高い。ミュージカルを観ているようなストーリー性を感じさせる歌の力も見事だ。
*「フィガロジャポン」2025年10月号より抜粋
text: Hitoshi Kurimoto