沼津散策で立ち寄りたい、築70年超の建物をDIYした書店で本とクラフトビールを楽しむ。
Culture 2025.10.09
店主の"本愛"が詰まった個性派書店は全国に点在。北の大地で名作にどっぷり浸かったり、レトロな建物でアート本に刺激を受けたり。厳選された本とこだわりのインテリアを目的に、旅する気分で書店巡りを。
リバーブックス
[静岡県沼津市]
商店街の書店から、沼津観光のハブを目指す。
土間の奥には青い床のギャラリースペース。
いくつもの縁を繋いで狩野川近くに誕生したリバーブックス。店主はUターンし地元沼津の虜になった出版社出身の江本典隆。築70年超の建物再利用のコンペで優勝し、開業した。DIYでリノベーションし、近所の沼津クラフトのオリジナルクラフトビールも販売。店内奥のギャラリーでは月替わりで本にまつわる写真、イラスト、うつわなどの展示も行う。コンパクトな店内ながらエッセイ、サブカル、小説に料理本、旅や民俗学に古典までジャンルは幅広く、県外からの客も多い。出版社時代に沼津のガイドブック制作に携わった経験もあり、アジフライのおいしい店からコーヒー店まで、江本の沼津紹介を聞けば街を散策せずにいられない。
人気のエッセイや詩集本が並ぶ。
互いの違和感を突き詰める、魂の往復書簡。
左は地元出身の歌人上坂あゆ美と、文筆家ひらりさによる往復書簡『友達じゃないかもしれない』(中央公論新社刊¥2,090)、右はその副読本のZINE『友達じゃないかもしれないふたりの短歌トーク』(¥500)。
江本の後ろにある「コロッケ~」の文字は閉店した大好きな居酒屋メニューを額装。ビールサーバーもこの店から譲り受けた。
クラフトビール片手に本探しはいかが? 読書のためにアルコールと炭酸を控えめにした「リバーブックスペールエール」Mサイズ¥800。7月25日より展覧会開催予定の、のもとしゅうへいの最新刊『おばけのおいしいひと休み』(KADOKAWA刊¥1,485)。
青い引き戸とイラスト看板が目印。右:深夜営業時の看板。地元民憩いの場に。毎月一晩だけ23時まで営業!
*「フィガロジャポン」2025年9月号より抜粋
●掲載している価格や営業時間、定休日、料理は変更される場合があります。特に輸入本は取材時から価格が変わる可能性があります。
●レストラン利用時や宿泊時に、別途サービス料や入湯税がかかる場合があります。
photography: Yuka Uesawa