まるでパリの街角、市ヶ谷の東京日仏学院内の個性派書店で旅する気分を味わう。
Culture 2025.10.11
店主の"本愛"が詰まった個性派書店は全国に点在。北の大地で名作にどっぷり浸かったり、レトロな建物でアート本に刺激を受けたり。厳選された本とこだわりのインテリアを目的に、旅する気分で書店巡りを。
パサージュ・リヴ・ゴーシュ
[市ヶ谷]
パリの空気に包まれて、個性が光る書棚と邂逅。
シェア型書店パサージュは、神保町にも3店舗展開する。
東京日仏学院内にある書店は、まるでパリの街角のよう。専門家たちの書評のおもしろさに目をつけて棚ごとにオーナーがいるシェア型書店を開業したのは、仏文学者・鹿島茂を父に持つ由井緑郎。堀江敏幸や平野啓一郎といった作家の棚、フランス専門書店メゾン・プティ・ルナールの棚、ピアニスト青柳いづみこの棚など、文化人がそれぞれの視点で選んだ書に触れる楽しさがある。一般の人も月額で棚主になれ、小さな書店を運営する気分が味わえるのも魅力。各棚主が店内でイベントを開催するなどサロンのような役割もフランス的。
各書棚には名刺サイズで棚主名が記載される。
フランス文学をあらゆる角度から。左から、歩行者道"パサージュ"に着目しながら、パリの歴史を解き明かす『パリのパサージュ』(鹿島茂著 中公文庫¥1,034)、3部作で完結する名作漫画『ベルサイユのばら』のフランス語訳版『La Rose de Versailles』(池田理代子著 Kana刊¥4,070)、ミュージカルで歌われた名作小説のフランス語・要約版『Les Misérables』(ヴィクトル・ユーゴー著 ガリマール出版刊¥1,283)。
パサージュを運営する由井。
Passage Rive Gauche
東京都新宿区市谷船河原町15 東京日仏学院内
営)12:00~19:00
※施設に準ずる
休)月
https://passage.allreviews.jp/
*「フィガロジャポン」2025年9月号より抜粋
●掲載している価格や営業時間、定休日、料理は変更される場合があります。特に輸入本は取材時から価格が変わる可能性があります。
●レストラン利用時や宿泊時に、別途サービス料や入湯税がかかる場合があります。
photography: Koomi Kim text: Miki Suka