2017年、第70回カンヌ国際映画祭総集編。
Culture 2017.06.02
第70回目を迎えたカンヌ国際映画祭。毎年5月に、フランスの高級リゾートカンヌが映画の都に変身します。
今年の審査員軍団は委員長のペドロ・アルモドバルを筆頭に、ウィル・スミス(俳優・アメリカ)、ジェシカ・チャスティン(女優・アメリカ)、パオロ・ソレンティーノ(監督・イタリア)、マーレン・アデ(監督・ドイツ)、アニエス・ジャウイ(監督・フランス)、ガブリエル・ヤレド(作曲家・フランス)、パク・チャヌク(監督・韓国)、ファン・ビンビン(女優・中国)と、豪華な顔ぶれ。
最高賞のパルムドールを獲得したのは、なんとスウェーデンのリューベン・オストルンド監督の『The Square(ザ・スクエア)』!!
レッドカーペットのセレブリティから日本人監督の作品まで、2017年のカンヌのドラマをまとめてレポートします。
>>カンヌ国際映画祭の仕組みって?
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さまざまな作品群で構成される、世界一の映画祭の仕組み。
映画祭事業局本部(オフィシャルセレクション)
コンペティション部門
アート映画の殿堂カンヌ映画祭の中心部門。最高賞であるパルムドール、審査員特別グランプリ、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞、審査員賞などがあり、世界各国の映画から、毎年20本前後が選出。この部門にセレクトされただけで、配給権の値段が上がるだけあって、みんなこの部門を狙ってくる。
ある視点部門
タイトルどおり、オリジナルな“視点”があり野心的な試みをしている作品を集めた部門。コンペ部門よりも格落ちの感はあるが、ときどき掘り出しものも見つかる。
短編部門
短編映画のコンペティション部門。ここで賞をとれば、長編デビューへの足掛かりとなる。未来のスター監督の登竜門?!
シネ・フォンダシオン部門
映画学校の学生たちの作品を上映するコンペティション部門。若い映画監督を発掘し、育てるという映画祭の意図が映されたカンヌらしい部門。
特別招待&スペシャルスクリーニング
アート系の映画が中心となるコンペティション部門に対し、巨匠の新作など、コンペの対象にはならない映画祭を華やかに盛り上げる作品を上映。
カンヌ・クラシックス
「カンヌ・クラシック」と題された名作の回顧上映や浜辺の巨大スクリーンでの野外上映などが行われる。こちらもコンペ対象外。
別運営の並行部門
監督週間
ゴダールらによる1968年の5月革命の影響を受け、69年から始まった独自運営の部門。よりチャレンジングな映画を上映している。チケットを購入すれば、一般の人でも鑑賞可能。
批判家週間
国際批評家連盟によって運営されている部門。世界各国の批評家から持ち回りで審査員が選ばれ、国際批評家連盟賞が与えられる。
マーケット(国際映画見本市)
映画の配給権の売買が行われる、映画国際見本市。年に何回も行われるマーケットでも最大規模なのがカンヌ。映画祭とマーケットが一緒になっていることもカンヌが最も大きく、重要な映画祭となっている理由のひとつ。
上記、カンヌ国際映画祭の賞の仕組みを知って、もっと映画祭を楽しみたい!
réalisation:ATSUKO TATSUTA