エリザベス女王の「公式誕生日」を、ミニセレモニーで祝福。
Culture 2020.06.15
現地時間6月13日、エリザベス女王の94歳の誕生日を祝う公式セレモニーがウィンザー城で催された。女王の誕生日は4月21日だが、例年6月に生誕祝賀行事が行われる。
今年は新型コロナウィルスのパンデミックを受けて、いくつか変更を余儀なくされた。毎年恒例の軍事パレードである「軍旗分列行進式(Trooping the Colour)」は、女王が自主隔離生活を送っているウィンザー城内の広場で規模を縮小した形で執り行なわれた。
また通常、兵士の行進は肩を並べて行われるものだが、今年は“社会的距離”を保つために兵士同士が6フィート(約1.8メートル)離れた状態でいるのが「平常時じゃない」様子をよく表している。
爽やかなミントグリーンのスーツに身を包んだ女王は、しっかりした足取りで広場に登場し、特設された席に座ってパレードを感慨深げに見つめていたが、女王が公の場に姿を現したのは3月後半にロックダウンが始まって以来、実に3ヵ月ぶりのこと。高齢の女王の元気そうな姿にホッとした人も多いことだろう。ただし、今年は残念ながら他のロイヤルファミリーの姿はない。
さらに例年、軍事パレードの後に、女王を中心とするロイヤルメンバーが、バッキンガム宮殿のバルコニーに集い、英空軍の航空機による編隊飛行を眺めるのも恒例であるが、今年はそれも見られない。フォーマルに着飾ったロイヤルたちが、シニアもキッズも一堂に会する絶好の機会だっただけに、仕方がないこととはいえ、味気ないものになったのは否めない。来年こそは、パンデミックが終息し、成長したロイヤルキッズたちの姿も拝めるよう、祈らずにはいられない。
photo : Reuters/AFLO, texte : ERI ARIMOTO