トランプ大統領、ハリー王子夫妻を「追放しない」と発表。
Celebrity 2025.02.10
アメリカのトランプ大統領は決断を下した。『ニューヨーク・ポスト』の取材によると、ビザをめぐる疑問があるものの、ハリー王子はアメリカに滞在できるようだ。しかし、その際、大統領はハリー王子の妻メーガン夫人を激しく非難したという。
非営利団体コンコルディアが主催する2024年度年次サミットに出席したハリー王子。(ニューヨーク、2023年9月)photography: Getty Images
トランプ大統領は、数か月にわたり、ハリー王子の追放の可能性について含みを持たせていた。しかし、『ニューヨーク・ポスト』が今週土曜日に報じたところによると、彼はハリー王子の滞在を認める決断を下したようだ。ハリー王子は妻と子どもたちとともに、4年間アメリカに居住している。トランプ大統領は、「そんなことはできない。彼のことは放っておくよ。彼はすでに妻との問題で十分苦しんでいる。彼女はひどい」と発言したと同紙は報じた。
---fadeinpager---
宣戦布告
カリフォルニアに移住したメーガン夫人とハリー王子は、2020年から2人の子ども、リリベットとアーチーとともに高級住宅地モンテシートに暮らしている。彼らの渡米は、当時現職のドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデン元大統領が争った大統領選の年と重なる。そして、すでにその頃から対立の火種が生まれていた。ハリー王子夫妻はたびたび共和党のトランプ氏への反感を示し、彼の怒りを買っていた。特に「タイム」誌のインタビューでは、アメリカ国民に対して「ヘイトスピーチや誤情報に反対する投票を」と呼びかけ、暗にトランプ氏を批判した。この発言が火に油を注ぎ、両者は本格的に対立するようになったのである。
2023年から2024年にかけて、アメリカの保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」は、ハリー王子の国外追放を目指す動きを本格化させた。その根拠とされたのが、彼の回顧録『Spare(原題)』に記された自身の告白だった。著書の中で、故ダイアナ妃の次男であるハリー王子は、若い頃に薬物を使用していたことを認めており、17歳のときに初めてコカインを吸引したことを明かしている。この告白を受け、同団体は彼の発言を問題視し、アメリカ入国申請の際にこうした情報を申告していなかった可能性があると指摘した。さらに、彼の移民関連書類の公開を求め、それによってビザが無効となる可能性を探った。しかし、この要求はアメリカ国土安全保障省(DHS)によって却下された。
---fadeinpager---
幕引き
しかし、2024年2月、ドナルド・トランプ氏が再び大統領選に立候補し、今回はカマラ・ハリス氏と対決することが決まると、この問題について再び言及した。英紙『デイリー・エクスプレス』の取材に対し、彼は自身が再選されれば、ハリー王子の移民関連書類の徹底的な再調査を実施すると断言した。それ以来、ハリー王子のビザ問題は再評価を待つ状態となっていた。
再選を果たし、1月初めに正式に大統領に就任したトランプ氏は、ついにこの問題に決着をつけたようだ。しかし、その過程で、ハリー王子夫妻との間に依然として根強い緊張があることを示す辛辣な言葉も飛び出した。メーガン夫人を「ひどい人物」と呼び、ハリー王子に対しても特に配慮を見せることなく、一方で兄のウィリアム皇太子を大いに称賛した。「彼は素晴らしい若者だと思う」と語ったという。なお、トランプ大統領とウィリアム皇太子は、2024年12月にパリで開催されたノートルダム大聖堂の再開式典の際に初対面している。
From madameFIGARO.fr
text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi