英国王室メンバーの婚約指輪をチェック!
Celebrity 2025.08.26
英国王室は世界でも屈指の宝石コレクションを誇っており、その中でも特に注目されるのが女性の王族が身につける婚約指輪だ。代表的な指輪を見てみよう。
キャサリン皇太子妃。(ロンドン、2022年6月)photography: Max Mumby/Indigo / Getty Images
2010年11月16日、ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が婚約を公表した際、皇太子妃の左手薬指に輝いていたのは、英国王室で最も有名な宝石のひとつだった。遡ること29年前に当時皇太子だったチャールズ3世が故ダイアナ妃に贈った、サファイアとダイヤモンドの婚約指輪だ。王室御用達ジュエラー「ガラード」が制作したこの指輪は、奇しくもウィリアム皇太子の妻となるキャサリン皇太子妃の指のサイズにぴったりで、サイズ直しの必要がなかったそうだ。「まったく同じサイズでした。本当に特別な指輪を身につけられるのは光栄です」と、キャサリン皇太子妃は2023年4月に語っている。この宝石が制作されたときの額は3万5000ユーロだったが、現在の評価額はおおよそ45万ユーロだ。
義理の娘同様、カミラ王妃の婚約指輪も英国王室に受け継がれた宝石だ。2005年にチャールズ3世から贈られたアール・デコ様式の婚約指輪は、5カラットのエメラルドカットのダイヤモンドを中央に据え、その両側に3つのバゲットカットのダイヤモンドが配されている。台座はプラチナ製、現在の評価額はおおよそ11万5000ユーロだ。元々はエリザベス女王の母「クイーン・マザー」が所有していたもので、ジョージ6世が第一子(のちのエリザベス女王)誕生を祝って妻に贈ったものとされる。
未来の夫がデザインした婚約指輪
王族女性がことごとく由緒ある婚約指輪をもらったわけではなく、新しく特注された指輪をもらった人もいる。エリザベス女王がまさにそのケース。1947年に婚約する前、フィリップ王配が自らデザインを手がけ、ロンドンの宝石商フィリップ・アントロバスに依頼して制作された。指輪に使用されたダイヤモンドはフィリップ王配の母であり、ギリシャの王女だったアリス王女のティアラから取り外したものが用いられた。中央に3カラットのソリテール、その周囲に計10粒のダイヤモンドを配したデザインだ。言い伝えによると、指輪はエリザベス女王の気分の「バロメーター」となっていたようで、女王がこれをクルクル回している時は機嫌が悪い時だったそうだ。
メーガン夫人の婚約指輪もハリー王子が特注したもの。中央にボツワナ産の大きなダイヤモンド、両脇には母ダイアナ妃の宝石だった小粒のダイヤを配した。ボツワナはハリー王子にとって「第二の故郷」とも言うべき場所だ。
カラーストーンの婚約指輪
伝統的に英国王室の婚約指輪はダイヤモンド。ベアトリス王女やザラ・ティンダルも慣例に従ったが、なかには例外もある。アン王女は2度結婚しているが、どちらの婚約指輪もサファイアだった。最初の夫、マーク・フィリプスから送られた1つ目はガラードが制作した指輪で、オーバルのカボションカットのサファイアを2つのダイヤが取り囲んでいるもの。2つ目の婚約指輪も3カラットのオーバルのカボションカットのサファイアを中央に、3粒ずつのラウンドカットのダイヤを配したものだった。
ユージェニー王女の婚約指輪の石は非常に希少なものだ。2018年1月にジャック・ブルックスバンクとの婚約を発表した際、彼女の左手薬指に輝いていたのはピンクオレンジ色の2カラットのサファイアの指輪。これは非常に珍しい、「パパラチャ(夕暮れのハスの花の色)」と呼ばれる色合いのサファイアだ。指輪のデザインは奇妙なことに、王女の母セーラ・ファーガソンがアンドルー王子から贈られた婚約指輪に酷似していた。こちらはビルマ産のピンクのルビーに10粒のダイヤを配したものだった。

3カラットのソリテールダイヤモンド。現在の評価額は約12万ユーロ。photography: Tim Graham / Tim Graham Photo Library via Get

ダイアナ元妃が所有していた指輪。12カラットのセイロンサファイアを14粒のラウンドカットのダイヤで囲んだもの。photography: Max Mumby/Indigo / Getty Images

メーガン夫人の婚約指輪は推定15万5000ユーロ以上。photography: Chris Jackson/Getty Images

王女の夫、ジャック・ブルックスバンクはプロポーズする際、非常に希少な宝石の指輪を用意した。ピンクオレンジ色をした2カラットの「パパラチャ」サファイアだ。(評価額11万5000から14万ユーロ。photography: Brady Jonathan/PA Wire/ABACA

アンドルー王子とは離婚してしまったが、婚約の際はビルマ産のピンクルビーに10粒のダイヤをあしらった指輪をもらっている。現在の評価額は8万ユーロ超。photography: Tim Graham / Tim Graham Photo Library via Get

1999年の婚約指輪は中央に2カラットのオーバルカットのダイヤを配し、両脇にハート型ダイヤをあしらったもの。エリザベス女王の指輪に似ており、ガラードが制作した。現在の評価額は12万ユーロ超。photography: Max Mumby/Indigo / Getty Images

中央にラウンドカットのダイヤ、プラチナ製の台座にパヴェダイヤをあしらったオーソドックスなデザイン。評価額は16万2000ユーロ。photography: Max Mumby/Indigo / Getty Images

夫のエドアルド・マペッリ・モッツィがデザインの一部を提案したもので、3.5カラットのソリテール。評価額は9万ユーロ。photography: Walton John/PA Photos/ABACA








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text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr)