世界のコレクターが羨望する、アラブ王族の見事な宝飾品とは?
Celebrity 2025.10.29

ヨーロッパの王室と比べてあまり知られていないが、アラブの王族はどんなコレクターも顔負けの見事な宝飾品を有している。

イギリス公式訪問中のヨルダンのラーニア王妃。(ウィンザー城、2001年11月)photography: Getty Images
由緒ある宝石に時代を超越したデザイン。アラブ世界の王族の宝庫は印象的な宝飾品であふれかえっている。それは権力とアイデンティティの象徴であり、ひっそりと、あるいは堂々と身につけられてきた。時には自国の富と勢力を誇示するために。ヨルダン、カタール、モロッコ、オマーンなど、アラブの王族たちが所有する最も美しいジュエリーの数々を紹介する。
ヨルダン王室のティアラ・コレクション
アラブ世界で最も注目を集める王妃がヨルダンのラーニア王妃だ。そのセンスの良さでも知られている。彼女がティアラを身につけることは滅多にないが、実はヨルダン王室は見事なティアラ・コレクションを所有している。とりわけ素晴らしいのがカルティエの「ハロー・ティアラ」だ。もともとは前国王フセイン1世が、3番目の妻アリア妃に贈ったもの。アリア妃が1977年に亡くなって娘ハヤ王女が相続した。1999年のアブドラ2世の即位式の際など、ラーニア王妃にたびたび貸し出している。また、ラーニア王妃自身も自分のコレクションを所有しており、ブシュロン製のティアラ2点と、フランスの宝飾ブランド「フレッド」のオーダーメイド品1点を有している。
フセイン1世の4番目の妃、ヌール元王妃も素晴らしいジュエリーを有している。印象的なクッションカットのサファイアブローチや、フセイン1世から贈られたダイヤモンドの「サンバースト(太陽光線)」ティアラなど、現王妃に引けを取らないコレクションだ。
オマーン王室の独創的で希少なジュエリー
オマーン・スルタン国にもたくさんの宝石が存在する。現スルタンの妻であり、社会活動に熱心なアハド妃は、独創的で希少なジュエリーを多数所有している。その中のひとつが日本の名門ミキモトによるアコヤ真珠とダイヤモンドのネックレスで、中央には緑のトルマリンが配され、ペアシェイプカットダイヤモンドが下がっている。さらに珍しいのが、オマーンのファーストレディが愛用するヒトデ形のブローチだ。ルネ・ボワヴァンによるクリエーション作品で、71個のルビーが埋め込まれた周囲を665個のアメジストがパヴェセッティングされている。
カタール王室の豪華なジュエリー
国民の贅沢な暮らしぶりで知られるカタールでは王室も富を享受している。象徴的な存在がシェイカ・モーザ妃だ。幾重に巻いた真珠のネックレス、重厚なゴールドジュエリーやジュエリーベルトなど、華麗にして個性的な宝飾品で構成された妃のコレクションにはカルティエ、ブチェラッティ、ヴァン クリーフ&アーペル、ハリー・ウィンストンといった名門ブランドが並ぶ。特筆すべきは、カルティエがもともとメキシコの女優マリア・フェリックスのために制作した「エタニティ」ネックレスだ。プラチナの蛇をリアルに表現し、それぞれ200カラットを超える2つの巨大なエメラルドを目に見立てたデザインだった。モーザ妃のためにエメラルドをホワイトダイヤモンドに置き換え、より洗練された現代的な印象に生まれ変わった。
アラブ王室の宝飾品たち
















From madameFIGARO.fr
text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr)





