日本とポルトガル、繰り返される愛と復讐の物語。

Culture 2018.12.26

南欧の古都から近未来日本へ、時空を超えた愛の受難と復活。

『ポルトの恋人たち 時の記憶』

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舞台は18世紀のポルトガル。宗次(柄本佑)は鉄砲と引き換えに奴隷として異国に連れられ、小間使いのマリアナと恋に落ちる。キリシタン弾圧で先祖を殺した日本人を屋敷の主人は憎み、密会を知るや宗次を銃殺。ここからマリアナの復讐劇に転ずると、映画は異様な迫真性を帯びる。彼女は隠したナイフを恋文に持ち替え、まず主人を恋愛ゲームに引きずり込むのだ。全体は2部構成で、第2部は近未来の日本が舞台の、時を隔てた相似形の物語。ともに不寛容によって恋人を奪われた女の悲憤が、物語の推進力となる。

『ポルトの恋人たち 時の記憶』
監督・共同脚本/舩橋淳
2018年、日本・ポルトガル・アメリカ映画 139分
配給/パラダイス・カフェ フィルムズ
シネマート新宿ほか全国にて公開中
http://porto-koibitotachi.com

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*「フィガロジャポン」2018年12月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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