4大都市で探す注目ブランド 【パリ発】自身のルーツを反映した注目のメンズブランド。
Fashion 2019.11.25
ジェンダーレスやユニセックスという言葉も浸透し、いまや性別にとらわれない考え方、スタイルが当たり前の時代。ファッション界では、メンズ・ウィメンズを両方展開するブランドや、全アイテムをユニセックスサイズで展開するブランドなど、時代に寄り添う注目ブランドが次々に登場。
今回は、パリ、ロンドン、ニューヨーク、東京の4大都市別に、それぞれの若手注目ブランドをピックアップ。初回は、パリ発の3ブランドを紹介。
アフターホームワーク / AFTER HOME WORK
ブランドを担うふたりのデザイナーは、15歳の高校生、ピエール・カツマレクとエレナ・モットラ。2014年にピエールが「アフターホームワーク」を創設、16年にエレナが参加し、ブランド名のとおり”宿題の後”に制作したコレクションを発表。2年後には、2019年春夏パリコレクションで公式ブランドとして迎え入れられた実力派。スタイリストの経験を持つエレナは、オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブローやヘロン プレストン、ナイキなどで活躍してきた。
アシメトリーなデザインや自由なカッティング、シルエットを操るコード使いなど、デフォルメされた複雑なパターンを、軽やかな素材やソリッドなデザインであくまでシンプルなワードローブに落とし込む。ピエールとエレナ、それぞれの感性が刺激し合うユニセックスなコレクションだ。
パリのレインウエアブランド、ケーウェイ(K-WAY)とコラボレーションしたコート¥81,400/アフターホームワーク(ゴッファ エックス)
細かなキルティングをベースに、スリーブに入ったラインがスポーティな印象。トップ¥58,300/アフターホームワーク(ゴッファ エックス)
コードが組み込まれたニットは、長さを調整することで自在に変形。ニット¥61,600/アフターホームワーク(ゴッファ エックス)
ゴッファ エックス
tel:03-5411-8717
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カサブランカ / CASABLANCA
モロッコ出身のデザイナー、シャラフ・タジェルは、16歳から夢中になったヒップホップの影響でスケートを始め、シュプリームを纏うようになる。そんな彼が、自身の生まれた地をブランド名に掲げ、2019年春夏シーズンに設立。
「自分の着たいものをつくる」がコンセプトの本ブランドでは、根底にストリートを掲げている。いっぽうで、幼少期の夏休みに過ごした、モロッコのカサブランカで暮らす人々が纏うカラフルで美しいものにも魅了されている。上質な素材でつくるセットアップやシルクシャツ、また専属ペインターを迎えたグラフィックプリントなどで、ストリートを品よく、美しく昇華したワードローブを展開。
専属ペインターのクエンティン・ビドーによる手描きの絵柄がプリントされたシャツ¥85,800/カサブランカ(ヌビアン ウエノ)
ロゴを胸元に掲げ、ストレートにブランドへの愛を謳う。フーディ¥35,200/カサブランカ(ヌビアン ウエノ)
浮世絵を思わせるような、荒波の上にカモメが優雅に飛ぶグラデーションが美しいデニムジャケット¥53,900/カサブランカ(ヌビアン ウエノ)
ヌビアン ウエノ
tel:03-3834-0434
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ボッター / BOTTER
ベルギーのロイヤルアカデミーオブアーツでメンズウエアを学んだルシェミー・ボッターと、オランダのファッションインスティチュート卒のリジー・ヘレブラーによって、2017年に設立。2018年LVMHプライズのファイナリストに選出され、4月にはイエール国際モード&写真フェスティバルのファッション部門で最優秀賞を獲得。
2018年には、ニナ リッチの新クリエイティブディレクターとして迎えられ、19AWからコレクションを発表している。カリブ海出身であるデザイナーふたりのルーツから、海洋の環境問題に訴えるテーマが話題に。漁師や地元民の日常の暮らしに着想を得た色使いや、浮き輪やビニール袋、漁網や魚のモチーフを小物として取り入れるなど、斬新かつユニークな発想が注目を浴びた。
「違和感のある日常着」をコンセプトに掲げ、ふたつのブランドの制作に励むルシェミーとリジーの次なるコレクションに期待が高まる。
オーバーサイズが新鮮なダッフルコートは、スリーブの外側とフードにあしらわれたチェック柄がポイント。コート¥363,000/ボッター(アディッション アデライデ)
鮮明なブルーストライプが目を引くシャツは、タグ部分に見られる切り取りサインをサイドに施しプレイフルに仕上げた。シャツ¥83,600/ボッター(アディッション アデライデ)
デザイナーのルーツであるカリブ海のイメージをグラフィックに落とし込んだ。フーディ¥50,600/ボッター(アディッション アデライデ)
アディッション アデライデ
tel:03-5786-0157
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photos : ASA SATO, stylisme : KODAI SUEHIRO