Kawakyun 篠原ともえが手がけた、肌に優しい革のアクセサリー。
Fashion 2021.02.27
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革という素材に魅了され、自分自身も革で作品を作りたいという思いを抱いた篠原ともえさん。彼女のオリジナリティあふれるアイデアが、この度ついに結実します。
第1回では革という素材が生まれる場所、栃木レザーを訪れ、第2回ではその革をプロダクトにする職人技に触れた篠原ともえさん。その経験にインスパイアされて自身がデザインした、金属アレルギーの人も身に着けられる肌に優しい革のアクセサリーがついに完成。さらに、そのビジュアル撮影を自らディレクションする様子をお届けする。
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職人さんと試行錯誤を重ねながら。
第2回で訪問した革の製造販売を行うハシモト産業の松本正記部長が、篠原さんから革の作品のアイデアを聞き、職人さんを紹介してくれた。篠原さんは職人さんとオンラインミーティングを行って自身の考えを直接伝え、その後スケッチを描きサンプルと手紙とともに職人さんに送り、打ち合わせを重ねながらディテールまで仕上げていった。
撮影直前まで調整を行う篠原さん。
「革は触れると心地よく、人肌のような安心感があるんです。ですので逆に金属のようなごつごつした重厚感のあるデザインにしたら、ギャップがあっておもしろいんじゃないかなと思いました」
前代未聞の革のアクセサリーが出来上がるまでは、篠原さんも職人も試練の連続だったようだ。
「職人さんに、金属のような繊細なアクセサリーを作りたいんです、と伝えたら、やったことがないです、と最初は困ってらして。でも、やったことがないことに挑戦するのはすごく楽しいです、と言ってくださって、とてもありがたかったです。革は表だけではなく裏も美しいので、あえてチェーンのアクセサリーは断面も生かしました」
革の作品と、篠原さんが描いた撮影イメージ。
職人さんは革で繊細なチェーンを作るために試行錯誤し、最終的にはひとつひとつ彫刻刀でカットしたのだとか。
「できないならどうしたらいいだろう……と私自身も彫刻刀で削るなど、サンプルを作ってみたり。難しいことに挑戦しようとしているんだな、とあらためて感じました」
リングも最初に上がってきたサンプルから大幅にブラッシュアップ。細く華奢なリングに、宝石に見立てた革をあしらった、2種類の美しい作品が仕上がった。
「職人さんに“革で宝石感を出したいです”と伝えると、角が出るようにと革を選んでくださったんです。宝石の部分には濃い色の革を使い、周りを薄い色の革で包んでくださって。職人さんの革に対する愛情が作品から伝わってきますよね」
「イメージどおりに仕上がりました」と篠原さんが語るリング。
さらに、当初は予定していなかった大ぶりのブレスレットを篠原さん自身が完成させた。
「自分でも職人さんのクラフトマンシップを体感してみようと挑戦したら、すごく楽しくて、夢中で作りました。今日、モデルさんが身に着けるのを見るのが本当に楽しみです」
作品制作と並行して、篠原さんは自身が描いたデザイン画をもとに、今回の撮影イメージを昨年立ち上げたクリエイティブスタジオのスタッフとともに作り上げ、スタッフやモデルも指名。自身が思い描く、革のアクセサリーの魅力を表現するための明確なイメージを皆に伝えてくれた。
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革に命が吹き込まれた瞬間。
撮影にあたって篠原さんが提案したのは、“肌になじむ革のアクセサリー”を表現するために、モデルの素肌とアクセサリーだけを見せること。背景も肌色にして、優しいワントーンの世界を作り上げた。
いっぽうで、金属のチェーンを表現したアクセサリーであるため、エレガントになりすぎない、強い印象の写真にしたいという。
篠原さんがヘアメイクを依頼したのは、稲垣亮弐さん。広告や雑誌、映画、舞台、ファッションショーなど、国内外で活躍するヘア&メイクアップアーティストだ。以前も一緒に仕事をした篠原さんからの依頼を、稲垣さんは快諾した。
モデルはエラ(Ella)。素肌に革を纏うという、センシュアルなコンセプトをピュアに表現するのにぴったりであるとともに、どこかジェンダーを超えるような存在感も彼女を指名した理由だった。
そして撮影は井上佐由紀さん。篠原さんの作品撮影やポートレート撮影もたびたび手がけており、今回の革をめぐる旅を第1回からずっと撮り続けている井上さんに、作品撮影も依頼したいと篠原さんが熱望した。
革のアクセサリーが美しく映るようにと、真剣なまなざしで位置を確認する篠原さん。
革に合わせて肌をマットな質感にして、ヘアは前髪をリーゼント風に上げてボリューム感を出した。撮影したカットを用意した絵コンテと照らし合わせ、モニターで確認しながら、篠原さんは丁寧にアクセサリーの位置や角度を調整。これまで革の奥深い世界のナビゲーターを務めてくれていた篠原さんが、今回はクリエイターとして真摯に作品作りに向き合う姿が印象的だ。
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順調に撮り進めた後、もうひとつのヘアスタイルにチェンジすることに。それは、リーゼントの髪を乱して動きをつけること。篠原さんがエラにそれをやってほしい、そして動いてみてほしいと英語で伝えると、エラがニコッと微笑んで潔く両手で髪を乱し、自由にポーズを取り始めた。動きがあったほうがいいね!と、スタッフからも歓声が上がった。
「モデルさんに革のアクセサリーを実際に着け、動いてもらうことで、レザーに命が吹き込まれたような躍動感が生まれ、想像以上のものが浮かび上がりました」
その言葉どおり、まさに命から生まれた革という素材と、タンナーや職人さんなど革のプロフェッショナルたちに対する篠原さんの大きなリスペクトが込められていることが生き生きと伝わってきた。それこそ、篠原さんがこの最終章で実現したいことだった。
「職人さんたちとの触れ合いを通して、本当にいろんな方々の力によって美しい革が生まれることを実感したんです。一枚の革にはたくさんの方々のテクニックと思いが込められている。だから今度はヘアメイクの力、瞬間を捉えるカメラマンの力で、まだ誰も見たことがないような革の魅力を伝えたい、それが今回の私の強い思いでした。
これまで革はちょっと扱いにくい、難しい素材のように感じていましたが、革は天然のものであり、肌なじみがいい素材だとわかったので、いつか衣装にも使ってみたいと思っています」
私たちの日常に寄り添い、なじみ深い存在であり続けてきた革という素材は、まだまだ出合ったことのない魅力と可能性に満ちている。篠原さんの革をめぐる旅とその集大成であるクリエイションが、そのことを力強く物語っている。
今回、ぜひにと熱望したモデルのエラと。彼女の身体に合わせ、アクセサリーは現場で調整した。
「革は触れて気持ちがいい素材だから、金属アレルギーの方も身に着けることができて、ずっと愛せるアイテムにしたかったんです」
篠原ともえさんが手がけたビジュアルと、革の作品の一部を展示。また各日先着50名様に「革製スマートフォン拭き」をプレゼントします。
期間:2月22日(月)〜28日(日)
場所:代官山T-SITE 蔦屋書店内「ファッション写真」エリア
https://store.tsite.jp/daikanyama/floor/shop/tsutaya-books
1995年歌手デビュー。文化女子大学(現・文化学園)短期大学部服装学科デザイン専攻卒。歌手・ナレーター・女優活動を通じ、映画やドラマ、舞台、CMなどさまざまな分野で活躍。現在はイラストレーター、テキスタイルデザイナーなどさまざまな企業ブランドとコラボレーションするほか、衣装デザイナーとしても松任谷由実コンサートツアー、嵐ドームコンサートやアーティストのステージ・ジャケット衣装を多数手がける。2020年、アートディレクター・池澤樹と共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。
www.tomoeshinohara.net
Instagram : @tomoe_shinohara
* 日本タンナーズ協会公式ウェブサイト「革きゅん」より転載
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篠原ともえさん連載「TOMOE SHINOHARA MAKING」
leather design : TOMOE SHINOHARA, art direction : MACHI KAGAWA, photos : SAYUKI INOUE, coiffure et maqullage : RYOJI INAGAKI (maroon brand), model : ELLA (BRAVO MODELS), retouch : KANAKO SATO (VITA INC.), video : MITSUO ABE, collaboration : STUDEO, HASHIM