Louis Vuitton 2024 Cruise ルイ・ヴィトン 2024 クルーズは、バロックのハイブリッド版。
Fashion 2023.06.02
舞台はマッジョーレ湖に浮かぶ、幻想的な小島。
5月24日、ウィメンズ アーティスティック・ディレクター ニコラ・ジェスキエールによるルイ・ヴィトン 2024 クルーズ・ファッションショーが開催された。グランドツアーの今回のデスティネーションは、北イタリアのマッジョーレ湖に浮かぶイゾラ・ベッラ。ここは、華やかなバロック建築の傑作であるボッロメオ宮殿とその庭園で名高く、18世紀にはナポレオン・ボナパルトも訪れたことがあるという場所。
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雨でしっとりと輝くバロック庭園がランウェイに。
春の花々が咲き、緑が生き生きと輝く庭園のランウェイに、オペラ『ホフマン物語』の「舟唄」が流れ、モデルが登場。ファーストルックはスキューバダイビングのウェットスーツを思わせる素材のスーチング。海の生き物たちーーまたは人魚の尾びれを思わせる襟やペプラムのディテールが、ショーの舞台の幻想的な雰囲気と相まって、一気にファッションのファンタジーの世界へと観るものを引き込む。
海やそこに住む生き物たちのモチーフは、淡いブルーやグリーンといった色使いや、鱗のようなパネル使い、波を描いたようなプリント、そして陸に上がったマーメイドが着ていそうな幻想的なドレスに見られる。一方で、中世の鎧を思わせるシルエットやヘッドドレス、仮面カーニヴァルを連想させるマスクなどに、今回の舞台となったイタリアへのオマージュも。
本コレクションは、さまざまなことに感化され、バロック式の華やかさとネオプレンの質感でハイブリッドなエレガンスを体現する、神話的な物語を描いたもの。ニコラ・ジェスキエールは逆説的な概念の中に現代のフェミニニティとこの上なくロマンティックなものがもたらす、新たなバランスを探求した。
これは変化の物語。サルトリアルな特徴は、互いに影響し合いながら新たな表情を魅せる。ありふれたものと風変わりなもの、日常と非日常の間を行き来する。
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気になるバッグやシューズが勢揃い。
定番アイテムであるサイコロ型の「スクエア・バッグ」をアップデートした新作バッグ。開閉口にはハードトランクと同じゴールドのクロージャーがあしらわれている。
ソウルで開催された2023 プレフォールショーで初めて登場した大ぶりの新作バッグシリーズが、クルーズ・コレクション仕様にアップデートされたもの。バッグ本体とのコントラストが際立つLVイニシャルのタグ付き。
メゾンが誇るトランク作りの伝統の原点に立ち返り、ニコラ・ジェスキエールが手がけた「サイドトランク」の最新作。素材やカラーコンビネーションをクルーズ・コレクション用にアップデート。
最新のアイコンバッグ「GO-14」は、さまざまなカラーバリエーションで登場。特徴的なひし形の格子模様は、ルイ・ヴィトンが製作した初期のトランクの内装に施された「マルタージュ」からインスピレーションを得ている。
ウエア同様、ウェットスーツを連想させるようなハイカットのスニーカー。
このタイプのブーツは、異なるカラーや素材で登場。
text:Natsuko Kadokura