【名品ジャケット7点】タイムレスに美しさを継いでいく、メゾンのジャケット。

Fashion 2023.11.22

2023-24秋冬のランウェイでひときわ目を引いたのが、仕立ての美しいジャケットたち。卓越した技術に裏打ちされるテーラリングがもたらす優雅なシルエット、どんなボトムスをも受け止めてくれる包容力、あらゆる生活のシーンにフィットする着心地の良さ。美しいジャケットには究極のシックが宿る。かつては男性の象徴的アイテムだった一枚のジャケットが、私たちにエレガンスとともに、内なる自信を与えてくれる。数々のジャケットの中から、手に入れるべき一枚を見つけよう。


「名品」と呼べるジャケットにはドラマがある。女性のためのジャケットが誕生してからそう遠くない現在、メゾンの歴史や成り立ちが色濃く反映されたマスターピースは、その物語を携えながらアップデートし続ける。

CHANEL

01-masterpiece-jacket-231103.jpg

20世紀初頭、装飾過剰なドレスやコルセットから女性を解放した存在がガブリエル・シャネル。男性のものとされていたカーディガンをもとにノーカラーのジャケットを創作、飾り立てずともエレガントに、快適に装えることを証明した。ウエストミンスター公爵との交流によって、紳士服から多くの要素を取り入れた彼女は、ツイードという素材で女性用の服を仕立て、メゾンの象徴であるジャケットが誕生する。シルエットを美しく保つヘムのブレード、フロントのパッチポケットもこのアイコンに欠かせないディテール。

ジャケット¥2,011,900、スカート¥723,800、ピアス¥232,100、ブローチ¥127,600、タイツ¥72,600/以上シャネル

---fadeinpager---

GUCCI

02-masterpiece-jacket-231103.jpg

乗馬の世界と深い関わりを持つグッチと聞けば、ホースビットのモチーフが思い浮かぶが、極上のサルトリアルによるオーダーメイドのジャケットは、通のファッションラバーから絶大な信頼を集めている名品だ。2016年より始まったオーダーメイドサービスの一環で、裏地も含む生地やボタンを選ぶことができる。ここで紹介するのはグレンチェックのウールで仕立てた、金ボタンのダブルブレスト。ワイドカラーがほんのりレトロで、ホースビットプリントのシルクシャツがよく似合う。

ジャケット¥478,500~、パンツ¥121,000~、シャツ(ボウタイ付き)¥242,000、フープピアス¥61,600、シングルイアリング¥46,200/以上グッチ(グッチ クライアントサービス)

---fadeinpager---

SAINT LAURENT

03-masterpiece-jacket-231103.jpg

「ル・スモーキング」。1966年、オフィシャルな場で女性がパンツをはくことなどありえなかった時代に、女性が着るためのスモーキングスーツを発表したイヴ・サンローラン。グラマラスでタフで、反骨精神あふれるスタイルは、世の女性たちに力を与え、永遠にモードの歴史に刻まれることとなった。現クリエイティブ・ディレクターのアンソニー・ヴァカレロは今シーズン、超パワーショルダーのスモーキングジャケットで、このアイコンをさらにモダンにアップデートさせている。

ジャケット¥517,000(参考価格)、中に着たタンクトップ¥132,000、スカート¥264,000、ピアス¥71,500/以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)

---fadeinpager---

BALENCIAGA

04-masterpiece-jacket-231103.jpg

バレンシアガのアーティスティック・ディレクターに就任した当初から、メゾンに眠る膨大なアーカイブからインスピレーションを得てきたデムナ。身体が泳ぐほどに大きなボクシーシルエットのジャケットは、クリストバルのクリエイションへの敬意と彼の感性が融合した、現在のバレンシアガのアイコニックアイテムだ。今シーズンは、彼が幼少の頃に初めてテーラーでパンツを仕立てた思い出を起点にしたコレクション。ジャケットの裾にはベルトループがあしらわれていて、まるでパンツをデコンストラクトして仕立てたようなユニークなデザインになっている。

ジャケット¥581,900、パンツ¥310,200/ともにバレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)

---fadeinpager---

THE ROW

05-masterpiece-jacket-231103.jpg

上質な素材、洗練されたリラックスシルエット。今季話題の「クワイエットラグジュアリー」を体現する存在であるザ・ロウにとって、サヴィルロウに由来するブランド名からも想察できるように、ジャケットはブランドを語るに欠かせないアイテム。最新コレクションからピックアップしたこちらのジャケットは、フロントはごくプレーンなふたつボタン、それに対して背中側はセンターを大胆にカットして、裏地のようなシルクサテンをあえて見せるデザイン。控えめだけどはっとさせられる知的な遊び心が詰まったジャケットは、ミニマルなスタイリングがしっくりくる。

ジャケット¥537,900、シャツ¥216,700、パンツ¥291,500/以上ザ・ロウ(ザ・ロウ・ジャパン)

---fadeinpager---

GIORGIO ARMANI

06-masterpiece-jacket-231103.jpg

「アンコンストラクテッド」という思想のもと、それまでになかった着心地のよさと流麗なシルエットを併せ持つジャケットで、モードの世界に革命を起こしたジョルジオ・アルマーニ。まるで第二の肌のごとくナチュラルに身体を包むブークレーニットのジャケットは、その控えめなカラートーンも相まって、一目でこのブランドのジャケットだと判別できる一枚だ。また、襟元のデザインやボタンのチョイスには、とりわけ80年代にデザイナーが傾倒したオリエンタリズムからの影響も見て取れる。

ジャケット¥880,000、イヤリング¥135,300(ともに参考価格)、スカート¥374,000/以上ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

---fadeinpager---

DIOR

07-masterpiece-jacket-231103.jpg

なだらかなショルダーライン、シェイプされたウエストから丸みを帯びて広がるシルエット。戦後間もない1947年、まだ無名のクチュリエだったクリスチャン・ディオールが発表した「ニュールック」は、世界中の女性から熱狂をもって迎え入れられた。シワ加工を施したコットンで仕立てたハーフスリーブのジャケットは、女性の美を賞賛したそのスタイルの象徴である「バー」ジャケットの血脈を受け継ぐもの。と同時に、メゾンの歴史を探り、フレンチスタイルを掘り下げた今コレクションを体現する存在でもある。

ジャケット¥590,000、スカート¥500,000、ピアス¥77,000、チョーカー¥145,000、グローブ¥170,000/以上ディオール(クリスチャン ディオール)

【合わせて読みたい】
ファッション業界人が愛用する、とっておきのジャケットとは?
六人六様の女優たちがメゾンのジャケットを纏ったら。

●問い合わせ先:
シャネル カスタマーケア  
0120-525-519(フリーダイヤル)
www.chanel.com

グッチ クライアントサービス  
0120-99-2177(フリーダイヤル)
www.gucci.com

サンローラン クライアントサービス  
0120-95-2746(フリーダイヤル)
www.ysl.com

バレンシアガ クライアントサービス  
0120-992-136(フリーダイヤル)
www.balenciaga.com

ザ・ロウ・ジャパン  
tel:03-4400-2656
www.therow.com

ジョルジオ アルマーニ ジャパン  
tel:03-6274-7070
www.armani.com

クリスチャン ディオール  
0120-02-1947(フリーダイヤル)
www.dior.com

*「フィガロジャポン」2023年12月号より抜粋

photography: Yasutomo Ebisu styling: Naomi Shimizu makeup: Masayo Tsuda(mod’s hair) editing: Kayori Morita

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

airB
言葉の宝石箱
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories