スタイリスト佐藤奈津美のフレンチシックを作るもの。

Fashion 2024.08.23

ミニマルな中にも品の良さが際立つフレンチシックスタイル。世代を問わず人々を夢中にさせるその魅力とは一体なんだろう? 「それは自分の根底にずっとあって、ファッションの基礎となるもの」と話す、スタイリスト佐藤奈津美に自分らしいスタイルを作る3つのエッセンスを教えてもらった。

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――フレンチシックなスタイルのどこに惹かれますか?
私にとってフレンチスタイルは、気持ちを整えてくれる正装のようなもの。もともと、ベーシックで品のあるファッションや80年代・90年代のテイストが好きで、その時代のファッションを見てきたので、リセエンヌ(パリの女学生風)が私のフレンチシックのベースになっていますね。自分の根底にずっとあって、基本を作ってくれたものです。

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上品で軽快なムードを作る
ホワイトジーンズ。

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――佐藤さんのフレンチスタイルに欠かせないアイテムは?
定番アイテムは、ホワイトジーンズ。よく履いているこちら(画像上)は、ジャンティークで購入した、ヴィンテージのリーバイス「501」でメイドインフランスのものです。細身のジーンズ自体がパリジェンヌの愛用品というイメージですが、ホワイトデニムはブルーデニムよりもカジュアルになり過ぎないところがお気に入り。クリーンで美しくて、ヴィンテージだとさらに時間をかけて育ってきた風合いがあり、こなれたフレンチスタイルを完成させてくれるんです。

――ホワイトデニムは多く持っているのですか? 
今回穿いたもの以外に、もう1本、リーバイス「501」のホワイトジーンズを持っているのですが、サイズが少し大きくて今の気分と合わなくなったのでクローゼットの中でお休み中です。今気になっているのは、トゥ エ モン トレゾアのホワイトデニム。デニムがシグニチャーのブランドで、40年代のヴィンテージ織り機を使ったカスタムデニムで作られているんです。シルエットがすごく綺麗で品のあるデニムです。

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(上)ジーンズ¥41,800/トゥ エ モン トレゾア(エドストローム オフィス) (下)リーバイス「501」ジーンズ/スタイリスト私物

――ホワイトデニムを履くときのコーディネートは?
トップもホワイトにして、全身白にすることもありますが、赤、ネイビー、イエローの三原色のアイテムを合わせることが多いですね。気がついたらトリコロールのカラーのような合わせ方になっているかもしれません(笑)。

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スクールガールの大定番、
ローファーを足元に。

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(左上)ローファー¥156,200(ヒール4cm)/ロエベ(ロエベ ジャパン クライアントサービス) (右上)マノロブラニクのローファー/スタイリスト私物 ローファー¥151,800(ヒール2.5cm)/ジェイエムウエストン(ジェイエムウエストン 青山店)

――フレンチスタイルを作る2つ目のアイテムは?
足元にローファーは欠かせません。ボリュームのあるタイプや、素材の色や質感に遊びのあるタイプを選ぶこともときどきありますが、基本的にはタッセルやフリンジがついていないペニーローファーか、甲の部分に装飾がないヴァンプローファーといった、とことんシンプルなデザインが好み。

ローファーの魅力はトレンドに振り回されず長く履けるところ。そしてやっぱり凛とした気持ちになれると言いますか、背筋が正される感じがします。

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――ローファーを履くときの足元の合わせ方は?
ソックスと合わせることが多いですね。白でも黒でも、ソックスはコットンでリブのないものを選ぶのがマイルール。こちら(画像)はGAPのソックスです。上の入り口部分が切りっぱなしのものも好きで、足元にもどこかリラックス感があるというか、力の入りすぎていないムードを演出したいなと思ってます。

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装いの記憶を決定付ける
フランスブランドの香り。

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(奥)バスソルト¥4,510、(右)石鹸¥5,170/共にオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(ビュリージャパン) (中央)キャンドル¥9,790、(左)サテンオイル¥8,360/ディプティック(ディプティック ジャパン) (左から2つ目)パフュームオイルセット¥7,500/メゾン ルイ マリー(エッセンス)

――最後、3つ目は?
フレンチシックは装いだけでなく、五感など感覚でも捉えられるものだと思っていて、メゾン ルイ マリーやビュリー、ディプティックといったフランスブランドの香りも外せないアイテムです。

――香りを纏うと心境にも変化がありますよね。
気持ちが下がっていても、つけるとちょっと気分が良くなると言いますか、自分を高められるアイテムかなと思います。毎日欠かさずつけているのはディプティックのサテンオイルとメゾン ルイ マリーのオードパルファムNo.2「ル ロン フォン」。

「ル ロン フォン」は、檜、シダーウッド、パチョリ、ホワイトムスクで構成されていて、お香のようなやや渋さのある香りにどこか郷愁を感じて心が落ち落ち着くところがお気に入り。ディプティックのサテンオイルは、普段はヘアに使うことが多くて、ボディに使っても大丈夫なオイルなのでそのまま首や髪にもつけたりといろんなところから香らせて癒されてます。

そのほか、ディプティックはキャンドルもなくてはならないもの。以前は、ローズの香りというと私には甘すぎるイメージがあって少し敬遠していたのですが、これは素敵な大人の女として纏える香り。ビュリーは石鹸とバスソルトがあって、ロマンチックな気分に浸れるアイテム。甘い深みがあるけれどさっぱりと使える優れものです。

香りは、装いの記憶をもう一段階決定付けてくれると言いますか、鮮明に記憶に残してくれる効果があると思っていて、スタイルを作る上で大切にしている要素です。

Profile:佐藤奈津美
福島県出身。スタイリスト伊藤信子に師事したのち、2022年1月に独立。雑誌「フィガロジャポン」で毎月最新情報をお届けする「MELI-MELO MODE」や「ESSENTIALS」を担当。 @satou__natumi

問い合わせ先:
エッセンス
https://www.ssense.com/

エドストローム オフィス
03-6427-5901
https://ja.tu-es-mon-tresor.com

ジェイエムウエストン 青山店
03-6805-1691
https://jmweston.jp

ディプティック ジャパン
03-6450-5735
https://www.diptyqueparis.com/

ビュリージャパン
0120-09-1803(フリーダイアル)
https://buly1803.jp

ロエベ ジャパン クライアントサービス
03-6215-6116
https://www.loewe.com/

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vol.1 スタイリスト小川夢乃のフレンチシックを作るもの。
vol.3 スタイリスト飯島朋子のフレンチシックを作るもの。

photography: Kazumasa Takeuchi

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