超富裕層の間で大流行している「日本の刺繍アーティスト」のジーンズとは?

Fashion 2025.11.04

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エイサップ・ロッキー、トラヴィス・スコット、カーダシアン一家、そしてリアーナ等のセレブがこぞって愛用しているのは、職人がすべて手作業で製作するデニム、「PROLETA RE ART(プロレタ リ アート)」である。

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ジーンズ1本1万ユーロ超。それが日本のブランド、プロレタ リ アートの製品だ。同ブランドの超高級製品を愛用するのはエイサップ・ロッキー、トラヴィス・スコット、カーダシアン一家、リアーナ等々。買いたいと思っているファンはセレブだけに留まらない。SNSやブログにはこんなコメントが散見される。「購入するまでブランドのことはあまり知らなかったけれど、すべて一点物で手作業なのがとても良かった。ビジュアルが最高」とか、「このブランドの存在を知って、いつか必ず手に入れようと思っていました。夢がようやく叶いました」など。それにしても人々が何千ユーロもの大金を支払うほど、このジーンズに惹かれる理由はどこにあるのだろう。

気の長い作業

プロレタ リ アートは2021年4月に日本で立ち上げられたブランド。デザイナーのPROTの情熱に支えられ、瞬く間に高級デニムの分野でその名を馳せた。デザイナーがこだわったのは手作業を通じて古い布地を活かすこと。たとえば古いタペストリーの端切れなどにデニムやビーズ、宝石などの多様な素材を組み合わせて唯一無二の作品を生み出す。さらに、日本古来の技法――古布を継ぎ合わせる「襤褸(ぼろ)」や、補強しながら美しい「刺し子(さしこ)」などを使いながら芸術作品と呼ぶにふさわしい製品を作り上げる。

1本のジーンズを作るのに200時間かかることもある。どのジーンズも唯一無二であることから、大量生産やファストファッションの常識からはかけはなれている。PROTは「GQ」誌のインタビューで、過去に手作業で非常にクオリティの高い作品を作っても、大量生産に向かないと却下されることが多く、それがとても悔しかったという発言をしている。彼のジーンズが高額なのはこの緻密な手作業があるからだ。

忠実なファン層

創業以来、プロレタ リ アートの製品は一点ものの"芸術作品"とみなされ、お金を惜しまない顧客層を獲得してきた。ファンが忠実なもうひとつの理由は購入後のアフターサービスにある。サイズ調整やカスタマイズなど充実したサービスが用意され、製品を長く着てもらうための仕組みが整っているのだ。ブランド人気はセレブに負っている部分も大きい。たとえばリアーナは自分の子どもたちのために特注のブランケットを注文した。プロレタ リ アートはリーバイスやクロックスといった業界の大手ブランドともコラボしている。リーバイスが保管していた古いデニムを使った靴やバッグなどのユニークな製品が誕生している。それにしても、ファストファッションの生産手法を否定するこのブランドが、大量生産を基盤とする大企業と協業するのは矛盾とも言える。それが今後このブランドにどう作用していくだろうか。

From madameFIGARO.fr

text: Lou Revel (madame.lefigaro.fr)

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