2018年 てんびん座の運勢(下半期) - 石井ゆかりの星占い

情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。

2018年の下半期の星占い

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てんびん座   09.23 - 10.23

そのドレスを「愛する」気持ちは、貴方の幸福に届いているか。

たとえば「オードリー・ヘプバーンは、ジバンシイの服を愛した」というような言い方があります。
そんなふうに、私たちは人だけでなく、ものやブランドをも「愛する」ことができます。
一方、同じ「ブランド好き」であっても、そのブランドを「愛している」というよりはむしろ、
ブランドに「依存して」いたり、自分をブランドで「飾って」いるだけだったりする人も少なくありません。
「愛する」ことと「依存する」ことは、どこが違っているのでしょうか。

子どもを愛すると言いながら、何でも買ってやって甘やかす人がいます。
本来「愛する」とは、子ども自身のためを思う気持ち、
子どもの人生を良くしてやろうという気持ちであるはずなのに、
子どもに嫌われたくない、好かれたい、子どもから愛されたい、という気持ちが勝ってしまうと
「子どもに逆らえない」状態になります。
あるいは、子どもに十分な世話をしてあげていない、という罪悪感を、お金で埋めようとする人もいます。
どちらも、子どものためを思っているのではなく、自分自身の心を守っているだけなのだろうと思います。
「ブランドを愛する」ことについても、似たようなことが言えます。
あるドレスを買った場合、そのドレスが真に自分の心を満たし、人生を美しくするものなのか、
それとも、劣等感を埋めるためのものだったり、ほかの欲望の代替物だったりするのか。
そのドレスを身に纏った自分自身に対する態度が誠実でなければ、
おそらく、「そのブランドを愛している」とは、言えないのかもしれません。

2018年下半期、天秤座の人々は情熱的に何かを愛することになります。
恋愛はもちろん、趣味やクリエイティブな活動、子どもを育てることなどもそうですし、
ファッションにのめり込む人もいるかもしれません。
そうした中で、貴方は愛するものにお金を使うでしょうし、好きなものを手に入れるでしょうし、
愛する何かを手に入れるために、精力的に「稼ぐ」ことにもなるだろうと思います。
また、自分自身で稼いではいない人でも、稼ぐだけではない、広い意味での経済活動と自分の欲望、
そして愛について、あらためて見直したいという気持ちが出てくるはずです。
その経済活動は、自分や自分の愛する人を、本当の意味で幸福にしているのか? 
ということが、この時期の大きなテーマです。
人の欲望や「財」は非常に危険なもので、それが人生を大きく狂わせることも珍しくありません。
他人を支配するためにお金を使っている人や、癒えない傷をごまかすためにものに囲まれている人、
本来お金では買うことのできないものにお金を注ぎ込んでいる人は、
この時期、貴方自身の本物の愛によって、そうしたあり方を軌道修正できるでしょう。
一方、すでに豊かで自由な経済活動を育み、愛のためにあるべき生活を営んでいる人は、
その力をもっと大きなものに育て、さらに広い範囲の人々の生活にコミットできるようになるはずです。
画家が最高傑作を描き上げるような瞬間が、貴方にもこの時期、巡ってくるかもしれません。

物質と精神を引き比べて、精神の優越を説く向きは珍しくありません。
でも、私たちの生活はさまざまに手に触れるもの、口に入るもの、目に見えるものでできています。
貴方の部屋に飾った花が本当に貴方の人生を美しくしているのかどうか、その問いへの答えが、
この時期の貴方の愛を大きく育てる原動力になるのだと思います。

9.23-10.4 生まれの貴方

「それは本当に自分の責務か?」の問いが、解放への扉に。

人の世話をすること、守ること、責任を分かち合うこと。こうしたことが、私たちの生活の多くの部分を占めています。たいていの場合は年齢を重ねるほどにこれらのテーマは膨らんでいき、ときに、私たちを息苦しくさせることもあります。2018年下半期、貴方はそんな「いつの間にか膨らんだ、他者への責任」を、いつになく冷静な目で見つめることができるようになりそうです。これまで何の疑問も持たずに引き受け続けてきたことに、ごく根本的な問いを投げかけたり、「これは果たして、本当に自分ひとりで背負わなければならないことなのか?」と自問したりすることになるかもしれません。これらの問いは、貴方の人生を少なからず自由にするキッカケであるとともに、貴方の生きる土台を強くするための「入口」となるはずです。
7月から8月、9月中旬から10月上旬にかけて、やりたいことに思い切り打ち込めるでしょう。非常にクリエイティブな時期ですし、愛の対象に「のめり込む」ことで新しい生命力が湧いてきそうです。8月は特に、きらめくように素晴らしい日々となります。9月から11月は経済面で、いい意味で貪欲になれる時です。何かを欲しいと思う気持ちがそのまま、意欲や創造性に流れ込んでいくでしょう。11月から12月は旅に出る人が多そうです。あるいは「旅」というほど大スケールでなくとも、とにかく外に出てフットワークよく動き、何かを勝ち得ることができるでしょう。愛については7月から10月まで、絶え間なく熱い追い風が吹き続けるはずです。

10.5-10.15 生まれの貴方

長らくフタをしていた「宝物」が、足元からぐっと隆起して、新たな力となる。

「宝の持ち腐れ」という言い方があります。私たちは自分が持っている「宝物」に、なかなか気付きません。そんなことは誰にでもできるとか、ありふれているとか、自分より優れた人がいる、などとフタをして、ずっと使わずにいる宝物のような力が、貴方の中にも眠っているのではないでしょうか。この時期、貴方はある種の情熱に燃え立つのですが、人によっては自分の意欲や情熱を、なかなか「信用しない」こともあります。理性と客観の星座である天秤座の人には特に、その傾向が強いのですが、この時期はぜひとも、ご自身の情熱や意欲を「信用」していただきたいのです。貴方の中に眠っている宝物のような力が、地殻変動によって大地が隆起するように、この時期、盛り上がってくる気配があるからです。
7月から9月にまたがって、貴方の経済活動はかつてないほどの盛り上がりを見せるでしょう。熱心に「稼ぐ」人も多いでしょうし、大きな買い物に挑む人もいるかもしれません。資本主義社会ではお金を持っている人が強いということになっていますが、ミクロな「一対一の取引」の世界では、関係は対等であるはずです。この時期、その「対等さ」に開眼する人も多いだろうと思います。10月は好きなことに目いっぱい打ち込める時です。夏からの経済活動によって手に入れたものの真価が、ここでわかるかもしれません。11月は懐かしい場所に足を運び、幼なじみや兄弟姉妹から何かを得る場面もあるでしょう。年末は一気に外に出る機会が増え、忙しくなります。愛に追い風が吹くのは8月中旬から下旬、10月です。

10.16-10.23 生まれの貴方

貴方が真に望む「交わり」のために、今、手に入れておきたい力。

過去数年にわたり、まるで新しい人間関係の中に身を置いてきたでしょうか。過去の人間関係から離れ、かつてなく刺激的で自由なネットワークに参加してみて「一皮むけた」人も少なくないはずです。そんな「新しい人間関係への旅」のプロセスが、この下半期あたりで終わりを告げます。もとい、完全にゴールに達するのは2019年3月頭頃かもしれませんが、この下半期は言わば、「終わりの終わり」のタイミングとなっているのです。ここまでの人間関係には刺激や個性的な友情もたくさん含まれていたはずですが、一方で妙に「距離感・分離感」が強く、心から解け合えないもどかしさを感じていたかもしれません。その「距離感」の正体が、この下半期、わかってきそうです。何が貴方と他者を隔てていたか、ここまでのプロセスでどんな「関わりの手法」を学べたのか、といったことを、自覚的に認識できるようになるとともに、貴方が真に望む深い交わりを実現するにはどうしたらいいか、ということも、わかってくるはずです。パートナーシップも「仕上げ」の段階にあります。
7月は仕事や対外的な活動に関して、周囲を巻き込んだ特別なミッションがスタートしそうです。ドラマティックな活躍の幕開けです。8月半ばから9月半ばにかけて、引っ越しや家族構成の変化など「居場所の変化」が起こるかもしれません。初夏からの動きがここで「完了」するようです。9月下旬から11月頭は、経済的に強い上昇気流が起こるでしょう。愛に強い追い風が吹くのは8月末から9月上旬、11月から12月頭です。

 

12星座別占い

Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii

石井ゆかりプロフィール

ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari

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