「緻密な仕事」には、相応の時間がかかっています。作業量はもちろんですが、「再検討」「練り直す」「吟味」といった、「見て考える」プロセスにも十分な時間をとる必要があります。何度も確かめてやり直したり、手を加えたり、削ったり足したり、一度白紙に戻して初めからやってみたりする展開は、その渦中ではまるで堂々巡りのようですが、実際はそのすべてが「前進」の過程です。
この時期、貴方の世界でもそうしたことが起こりやすくなっています。自分では「同じところで足踏みを続けて、なかなか先に進めない」という気持ちになることもあるでしょう。「何が正解かわからない」という迷いの渦で、考え続けなければならない場面もあるかもしれません。でも、それらはすべて「前進し続けている」状態です。小さなビーズを繋げて対策が出来上がる、その過程です。このビーズとあのビーズは同じ色と形かもしれませんが、全体の中に占める場所はそれぞれ違っていて、どちらもどうしても必要なものなのです。
私たちは、過去の「成功体験」に支配されることがあります。一度うまく行った方法は二度と変えたくない、と思えます。でも、過去のそうした「成功体験」こそが、実は足枷になる場合があります。自分で自分の成功体験を乗り越えた時、初めて新しい方法に出会えます。この時期はおそらく、そんな山場もあるのではないかと思います。