石井ゆかりの星占い

2022/2/14 - 2/20

今週の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
今週は少し軽やかというか、全体にからっとした明るさがある週です。まず15日、水星が山羊座から水瓶座に移動します。このところ山羊座にぎゅっと4星が集まっていたのですが、この集合状態がすこしゆるむことで、「重荷が軽くなる」人もいるのではないかと思います。思い詰めるような状態、ひとつのことだけを考え続けてしまうような状態から抜け出す人もいるはずです。水瓶座の水星はディグニティがあるというわけではないのですが、もともとの支配星の土星と水星は「友だち」で、さらに風の星座ですので、ヘルメスの翼がうまく風を捉える、というイメージが湧きます。爽やかな知性の解放が感じられる節目です。1月中は特に、ここで水星が逆行していたので、1月中にコミュニケーション上の混乱があったなら、今週以降その話をもういちどして誤解を解く、といったことが出来るかもしれません。

17日に獅子座で満月が起こり、19日に太陽が魚座に移動します。ふたつとも明るい雰囲気の動きだなと思います。このところ星はフラットチャート上の左側、特に左上にぎゅっと集まっていて、反対側が空っぽです。なので、満月のタイミングは「息抜き」「ガス抜き」みたいなイメージもあるなと思っています。別の方向から光を当てること、今見えている世界の外側から風を入れることができる時なのではないか、と思うのです。獅子座は肯定的な世界で、特に外側から「なんでもアリだよ」というよりは、内側から「自分もアリなんだから貴方もアリだ」という立場に立ちます。今星が集まっている場所はどちらかといえば外側からの語り口の場所、「世の中は」「世界は」「今の時代は」みたいな主語になりやすい場所なので、その対岸から「私は」で語りかけてもらうのは、やはり「出口」だなあという気がするわけです。

太陽は水瓶座では居心地が悪いというのも、そういう観点に立つと納得だなあと思います。水瓶座は「世の中、世界、宇宙」の正義を考えます。一方の獅子座-太陽は、自分の中心にまず立った上で、「私は」から話し始めます。これは、獅子座の視野が狭く、水瓶座の視野が広い、ということを意味しません。「どちら側から話を始めるか」ということだけの違いです。今週、太陽が水瓶座から魚座に移動すると、いろんなことのハンドリングがしやすくなるはずです。コントロールしようとする人、ハンドリングしようとする人、意志を持って行動しようとする人、イニシアチブを取ろうとする人は、そのアクションのどこかでいくつかの視点を断念せざるを得ません。「万人が納得する選択肢」は存在しないからです。全員を満足させ、頷かせることが不可能な中で何かを決めれば、必ず誰かを無視したことになります。水瓶座の世界観では「誰かを無視する」ことは非常に問題なのですが、獅子座的な世界観では、そのことが可能になります。これは、水瓶座が人を無視しない優しい人で、獅子座が人を無視する酷い人、という意味ではありません。水瓶座もある意味、無視するものがあります。それは人の主観や感情、過去などです。獅子座は火の星座ですから、闘いというものを見つめています。勝者がいれば敗者がいる、光が当たる部分があれば、必ず影ができる、という諦念のようなものが、獅子座的判断や選択の裏打ちとなっているように思われます。光と影、勝者と敗者のあいだに、火の星座の人々は常にある種の対称性を前提します。火の星座の「闘い」において、両者は本質的に対等なのです。その点、水瓶座的な世界観では、勝者と敗者が存在する時点ですでに世界は非対称で、その非対称性が批判に値します。ゆえに「万人にとって正義となる答え」を探す試みを、水瓶座の世界では止めることができません。つまり「決められない、動けない」事態が発生します。

魚座に入った太陽は、自宅にいる木星・海王星と合流します。今年のハイライトのひとつがここからスタートします。魚座は12星座中、もっとも損得勘定から遠い星座ということになっています。損得(またはリスクとベネフィット)を語ることが最も現実的で合理的で冷静な姿勢だ、という風潮の中、ここから始まっていく魚座集合の時間がどんな展開を見せるのか、ちょっとハラハラするような、でも、やはり楽しみなような気もします。

今週はそんな感じです。

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石井ゆかり

ライター。「フィガロジャポン」本誌にて2010年から星占い連載を手がけ、ムック本「石井ゆかりの星占い3」(CCCメディアハウス刊)が好評発売中。そのほか、さまざまな媒体で記事やエッセイなどを執筆し、『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『愛する人に。』(幻冬舎コミックス刊)、『夢を読む』(白泉社刊)など、著書多数。累計発行部数は400万部を超える。



今週の空模様



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