石井ゆかりの星占い

2022/3/14 - 3/20

今週の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
先週から水瓶座に金星・火星・土星の3星、魚座に太陽・水星・木星・海王星の4星が集合し、ぎゅっと濃密な配置が続いています。2021年に軸となった星座が水瓶座、2022年の軸と言えるのが魚座なので、2021年から2022年のテーマがぐりぐりと強調された時間となるのかなと思います。

コロナ禍が始まった2020年も「突然世界がひっくり返った」という印象を多くの人が抱きましたが、今もまったく別の形ではありますが「突然世界がひっくり返った」という衝撃に、多くの人が圧倒されています。火星は闘いの星、そして土星は宿命の星とされ、その2星が水瓶座に揃うこの時期、水瓶座的な厳しさ、すなわち抵抗、反抗、批評、批判などが大きな意味を持つのではないか、という気もします。たとえば各国で戦争に反対するデモが行われていますが、「デモ」はまさに水瓶座的です。水瓶座は「革命」の星座なのです。

水瓶座や魚座は、人間の大きな集団性を象徴する世界だと思います。牡羊座が「単体・個」から出発し、双子座で相方が、蟹座あたりで親族の集団ができて、さらに天秤座で他者との関わりが生じ、射手座以降は組合や組織、社会的システムなど、他者同士がどんどん大きな集まりを作っていくイメージになるのです。水瓶座、魚座に星が集まっている今、多くの人が自分個人のまわりのことだけでなく、広く世の中のことを「我がこと」として受け取っているのが、非常に象徴的に感じられます。

今週18日には、乙女座で満月が起こります。長らくの努力や研鑚が大きく実を結びそうなタイミングです。特に乙女座-山羊座ラインは現実的・実質的果実のイメージを帯びています。形ある成果、確かな手ごたえを得られるタイミングとなるといいな、と思います。
ちなみに乙女座は「制服」に関係が深く、古くから学校や教育とともに、軍隊とも結びつけられてきました。この満月は山羊座冥王星と120度を組み、非常に大きなパワーを感じさせる配置となっています。山羊座の支配星は水瓶座に、乙女座の支配星は魚座に入っており、前者は強力で、後者は弱い状態になっています。世界的な「抵抗・批判」の力が強くあるように、と願ってやみません。

魚座は癒やしの星座と言われますが、犠牲の星座でもあります。戦争による犠牲など、誰も望まないことだと思います。医療という自己犠牲によってやっと救われた尊い命がある一方で、戦闘によって一瞬で犠牲になる命があるのは、人類という生き物の限界なのでしょうか。魚座の「犠牲」というテーマには、私は非常に深遠なものを感じます。自己犠牲とは高度な自己否定だと思うのですが、同時に、限りない他者への肯定がなければ実現しません。他者とは、自分自身の映し鏡であり、自分が何者であるかということを暴く存在です。肯定と否定の反転がどういうカラクリで起こるのか。魚座は自分に自分で命令しようとする時の、人間の究極の心の仕組みをも担っているという気がします。私たちは人生や生活においてさまざまな意思決定をしますが、そこには無数の理由や条件、計算が絡みついています。「うまくいきそうだからやる」「そのほうが得だからやる」「褒められたいからやる」「ためになるからやる」「成長できるからやる」「勝てそうだからやる」等々。でも、そうした「○○だから」という条件から解放された、ただ純粋に「そうするべきだからそうする」という意思決定だけが真に「自分で自分に命令する」ということで、その地平に立てるのは魚座の世界観の中だけではないかと思うのです。星占いの世界では、私たちはすべて、太陽星座が何座の人であろうと、アセンダントが何座であろうと、誰もが12星座の世界観を何らかの形で生きる、ということになっています。その意味でも今、多くの人々が魚座の世界観を生きているのだと思います。

今週はそんな感じです。

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石井ゆかり

ライター。「フィガロジャポン」本誌にて2010年から星占い連載を手がけ、ムック本「石井ゆかりの星占い3」(CCCメディアハウス刊)が好評発売中。そのほか、さまざまな媒体で記事やエッセイなどを執筆し、『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『愛する人に。』(幻冬舎コミックス刊)、『夢を読む』(白泉社刊)など、著書多数。累計発行部数は400万部を超える。



今週の空模様



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