石井ゆかりの星占い

2023/12/4 - 12/10

今週の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
先週1日に水星が山羊座入りしましたが、今週は5日に金星が蠍座入りし、また雰囲気が少し変わります。金星は蠍座では少し持ち味が出にくいといわれているのですが、それは「闘い」に関係の深い世界に、「愛と平和」の星が入る、というイメージで捉えると、その「調子の悪さ」がわかりやすいかなと思います。
でも、戦闘の場に愛と平和が関係ないかというと、ぜんぜんそうではないはずです。むしろ、闘いに対して「愛と平和」で挑むことこそが、真に理性的な態度と言えるのかもしれません。今は特に、金星の持ち場である牡牛座に木星・天王星が位置しており、愛情や優しさ、甘さといった柔らかな力が、いつもとは違う大きな意味を持つ気配があります。個人的な生活の中でも、少し厚かましかったり、お節介だったりするくらいが、丁度いいのではないかと思います。「踏み込む」ことを忌避する向きが多い現代社会ですが、今は少なくとも、愛ある踏み込みが求められている時間と言えるのです。

水星は13日からの逆行に向けて、減速しつつあります。先を急ぐよりも今は、人のために立ち止まるとか、感情を大切にする、物事を味わう、といったことに軸足が置かれつつあるようです。

ある人が立ち止まってスマホを見て首をかしげているような時、それが「困っている」のか、ただ何かを「待っている」だけなのか、瞬間的には判断できません。「何かお困りですか?」と聞いて初めて、「はい、道に迷ってしまって」など、相手が困っているのだという確証を得られます。この「困っているかどうかわからない人」に「困っているかどうか確かめる」ようなアクションは、かなり勇気がいります。蠍座の金星や減速する水星は、そんな勇気をくれる星なのではないか、という気がします。表面的な均衡を壊し、他者との距離を越え、なんの合理的理由もなく立ち止まって踏み込み合うこと。今は、そんなことが大事にされる流れが生まれつつあるのかもしれません。

今週はそんな感じです。

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石井ゆかり

ライター。「フィガロジャポン」本誌にて2010年から星占い連載を手がけ、ムック本「石井ゆかりの星占い3」(CCCメディアハウス刊)が好評発売中。そのほか、さまざまな媒体で記事やエッセイなどを執筆し、『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『愛する人に。』(幻冬舎コミックス刊)、『夢を読む』(白泉社刊)など、著書多数。累計発行部数は400万部を超える。



今週の空模様



公式サイト「石井ゆかりの星読み

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