石井ゆかりの星占い

2024/6/17 - 6/23

今週の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
今週は週明けに金星、水星が蟹座入りし、さらに夏至がやってきます。夏至は1年で一番昼間の時間が長い日で、星占い的には「太陽蟹座入り」の日です。日本では梅雨時なのでそんなに「明るい」イメージはないタイミングではあるのですが、咲きみだれる紫陽花のように、今週は色彩華やかで、潤いにあふれ、とても愛情深い時間となっています。

すでに魚座に土星、海王星の2星があり、水の星座に5星が集まります。水は星占いでは「感情、共感、融合」などを象徴し、ここに星が集まると、とてもエモーショナルな雰囲気となります。
特に蟹座は「守る・庇護」の意味合いがあり、内部と外部を厳密に分けます。この「内部」に多くを取り込むほど、スケールの大きな愛が実現するのですが、ここを狭く取ると、差別やナショナリズムのような「排除」の意味合いが生じます。
週末22日には山羊座の満月が起こりますが、山羊座も社会的な「防衛」の意味合いに通じる星座であり、世界各地で紛争が起こっている今の時代には、危険が強調されていると読めなくもありません。人間が集団になった時の、ネガティブな「結束」に繋がる形と言えるからです。ひとりひとりはやさしく、いい人々なのに、集団になるとなぜか、そうではなくなる、ということを、多くの人が普段の生活の中でも、経験しているものではないでしょうか。多くの戦争は「大切なものを守るため」に行われます。少なくとも戦争にコミットする人々は、皆そういう思いを抱いているものではないかと思います。蟹座-山羊座ラインは、「大切なものを守るため」に、強烈な行動力を発揮する世界なのです。愛する人でも、自分のプライドでも、人は何か本当に大事なものを守ろうとした時、もっとも攻撃的になるものではないでしょうか。

一方、人間は「守るべき大切なもの」を、遠く離れた外国の見知らぬ人々にまで拡大することができる生き物でもあります。虐殺や戦争に反対する行動を起こしている多くの人々が、「守るべきもの」を非常に広い範囲に設定しています。蟹座-山羊座ラインの共感と庇護、防衛の意識は、そのくらい大きな器になり得るのです。
この満月に突き刺さるように90度を組む魚座最終度数の海王星が、どんな悲しみと共感、記憶を満月に流し込み、そしてそこから、どんな救いが生じうるのか。多くの人がさまざまな形で、誰かと「ともにある」ことを意識する時間となりそうです。

今週はそんな感じです。

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石井ゆかり

ライター。「フィガロジャポン」本誌にて2010年から星占い連載を手がけ、ムック本「石井ゆかりの星占い3」(CCCメディアハウス刊)が好評発売中。そのほか、さまざまな媒体で記事やエッセイなどを執筆し、『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『愛する人に。』(幻冬舎コミックス刊)、『夢を読む』(白泉社刊)など、著書多数。累計発行部数は400万部を超える。



今週の空模様



公式サイト「石井ゆかりの星読み

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