こんにちは、石井ゆかりです。
2025年のハイライトのひとつがとうとう、やってきます。
30日、海王星が魚座から牡羊座に移動するのです。もとい、海王星は秋に一度魚座に戻り、牡羊座への移動を完了するのは来年1月なので、まだ「途上」ではあります。ですが、2012年から魚座に位置していたこの星が一歩先へと歩を進めるのは、星占い的にはとても大きなトピックです。
さらに27日は逆行金星が魚座に入り、29日牡羊座の日食、30日は逆行中の水星が海王星とすれ違うように魚座に戻ります。春分点付近でイングレスと食がバタバタッと起こる今週は、新旧の大混乱、経緯とプランのごった煮のようなムードに満ちています。
魚座自体が「過去」と関係の深い星座です。そして牡羊座は「始まり」の星座で、未来を向いています。ここで星々が慌ただしく行きつ戻りつするのは「先に進むためには、まずやっておかなければならないことがある」という条件付きの新展開をイメージさせます。
この配置を見て、私は『はてしない物語』のラスト近くのシーンを思い出しました。主人公バスチアンがファンタージェンから現世に帰ろうとして、そこで、この門をくぐるには、おまえは今までに自分がはじめた物語を、すべて終わらせなければならない、と言われるのです。そんなことはムリだ、と彼は絶望しますが、言われたとおりにはなりませんでした。今回、春分点の至近距離にドラゴンヘッドが位置していますが、この配置はあのシーンで彼の友が側にいたことを思い出させられます。
一般に日本の3月は、卒業と入学の間で過去と未来が複雑に交錯する時間と言えます。未来の希望を見つめつつ、目の前にあるのはまだ、旧友との交流やこれまで暮らした環境です。「今まで」とどう向き合うかが、この「入り口」での大きなテーマとなっている、と言えるかもしれません。
今週は特に「今だけしかできないこと」の「今」の意味が、重く感じられるのではないかと思います。3月は毎年巡ってきますし、入学や卒業のような人生のイベントも数年ごとくらいには巡ってくるものと言えますが、約13年ぶりとか、約19年に1度、約165年に1度巡ってくるような「今」なのです。ひときわ大きなスケールで「今だけしかできないこと」に向き合う人が、今は多いのではないかと思います。
今週はそんな感じです。