パフェ日記 #07 旬を味わう、ふたつの風味を重ねた月替わりパフェ。

Gourmet 2017.09.26

パフェが大好きなエディターが、いま食べるべきパフェを厳選して紹介する短期集中連載「パフェ日記」。
第7回では、月ごとに変わるパフェにファンが多い、代々木上原のビヤンネートルをご紹介。

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9月25日
もうすぐ今月も終わってしまう。あわてて向かった先が代々木上原の駅近くにあるパティスリー ビヤンネートルです。月ごとに変わるパフェがひとつ。そのレシピが変わるたびに足を運んでいます。聞き耳をたてているわけではないのですが、同じように毎月必ずここにパフェを食べに来ている方も多いような印象です。

夏から秋へ向かう9月は、日によって日差しが強くなったり、急に冷え込んだりと難しい季節。暑い日にはさわやかなもの、涼しいとこっくりしたものが欲しくなる困った季節です。そんな季節にビヤンネートルがつくるシーズナルパフェが「3種のぶどうとプラリネ」です。3種のなかでも主役になるピオーネは去年、今年と2度にわたり愛媛県内子町にある農園の葡萄を使っているといいます。残るふたつはその時々に農園の方にお願いしておいしいものを選んでもらっているそう。主役候補はもともとピオーネのほか、ナガノパープル、巨峰の3種類があったのだとか。ピオーネを選んだ決め手は程よい酸味。ソルベにした時のおいしさが段違いだったといいます。

ビヤンネートルのレシピはいつもふたつの要素を組み合わせてパフェが作られていて、そのコンビネーションはいつも口にすると驚きを与えてくれます。今回、ピオーネの爽やかな果実味を引き立てるのはナッツのコク、そしてプラリネの食感です。このプラリネは幾重にも重ねられた層ごとに異なる食感が楽しめるようになっています。まずピオーネのソルベとかけ合わされた有機バニラのジェラートに、キャラメルのソースとたっぷりのプラリネがかけられています。ジェラートなのに口にするとサクサクとした食感という意外性に驚き。さらにグラスの奥に潜むパンナコッタにもプラリネの香りが。パフェに華やかな印象をもたらす頂上のフィユティーヌショコラにももちろんプラリネが加えられています。

さて10月はどのようなパフェが登場するのでしょうか。秋にぴったりな栗が登場とのことです。使うのは、大粒の甘みの強い和栗。現在ソルベの試作中で、ジェラートにほくほくとした栗をあわせようと奮闘中とか。栗になにを合わせるかはまだ未定だそう。いつもレシピはギリギリまで悩むというのは、オーナーパティシエの馬場麻衣子さん。もともとレストランパティシエだった馬場さんは、作りたてのフレッシュなケーキを楽しんでもらいたくてビヤンネートルを立ち上げたと話します。なるべくゼラチンを抑え、多少崩れやすくはなっても作りたてのケーキを楽しんでほしい。そんな思いをさらに強くして生まれたのがパフェだとか。

パフェを楽しんだ帰り際、ついつい今度はケーキに目移りしてしまいます。紹介が遅くなってしまい、楽しめる日もごくわずかになってしましました。けれど10月、そしてその次に続くパフェへの期待も高まります。遅くまで営業しているのでぶどう好きの方はぜひ仕事帰りに。そして栗好きの方は10月の登場に期待を高めてお待ちください。

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9月いっぱいの季節メニュー。まずはプラリネを含んだフィルティーヌショコラからいくか、丁寧にぶどうを順に楽しむか。さまざまな風味、食感がグラスに一体化しているのがビヤンネートルの魅力。丁寧にひとつひとつを楽しんでも、混ぜ合わせてもどちらも美味。「3種のぶどうとプラリネ」¥1,080

photos : TORU KOMETANI, réalisation : YOSHINAO YAMADA

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