パーティシーズンは、ポルトガル料理でおもてなし。

Gourmet 2018.12.22

「フィガロジャポン」2月号は、グルメや雑貨をはじめ多彩な魅力を持つポルトガルの大特集。このタイミングに合わせ、ポルトガルに魅入られ、家庭料理やワインの奥深さを紹介する「ポルトガル食堂」を主宰する馬田草織さんが、集まりごとが多いシーズンにぴったりのレシピを公開。日本でも食材が手に入りやすく作り方も簡単、そして料理名には馴染みがないのに味は日本人が親しみやすいこの3品を食べれば、ポルトガルについてもっと知りたくなること請け合いだ。

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日本から遠く離れているヨーロッパ最西端の国なのに、食の好みがどこか日本と似ているポルトガル。たとえば、彼らのソウルフードのひとつがイワシの塩焼き。ただし、ポルトガルでは白飯ではなく、ワインを合わせて楽しまれている。また、ポルトガルはヨーロッパでいちばん米を食べる国でもあり、米料理のバリエーションが驚くほど豊富なのも、親近感の沸くポイント。タコご飯に鴨ご飯、シーフードたっぷりの雑炊風と、旅するほどに新しいご飯メニューに出合える。

国土の半分は大西洋に面しているので、新鮮な魚介類が豊富に獲れ、シーフードへのこだわりは強い。一方、内陸は森や林が広がり、豚や牛や鶏、羊や山羊、野鳥などの育つ環境にも恵まれ、豪快な肉料理も人気。地中海沿岸の南部は温暖な気候のため、野菜や果物が豊富で全体に食材豊か。16世紀にピークを迎えた大航海時代の名残りで、干しダラは国民的食材として定着していて、特にクリスマスや復活祭には欠かせない。

コリアンダーやクミンといったハーブやスパイスの使い方にも、他の民族と交わった国の歴史が表れるが、基本的には塩と胡椒、オリーブオイルなど、シンプルな調味で食材そのものを引き立てる料理が多く、日本人の口にも合いやすい。レストランの料理の大半は家庭料理から始まっているので、親しみやすいのも魅力。食事にはデザートとワインが欠かせない、非常に食いしん坊なお国柄だ。

今回選んだ3品は、定番ながら日本で材料が手に入りやすく作り方も簡単なもの。これらに合わせてセレクトしたワイン、ポルトガルならではのアルコール飲料とともに、ポルトガルの家庭料理を味わってほしい。

前菜:カルド・ヴェルデ(緑のスープ)

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緑色の正体はケールの仲間。ジャガイモとタマネギをベースにした優しい味わいは、まるで日本の味噌汁のよう。

メイン:カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ
(豚とアサリのアレンテージョ風)

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大皿に盛ると華がある、パーティにぴったりのメニュー。マリネした豚とアサリから旨味がたっぷり出た汁を、パンやお米に絡めて食べるのも楽しみのひとつ。

デザート:ナタシュ・デ・セウ(天国のクリーム)

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スイーツが大好きなポルトガルの人々が愛してやまない、詩的な名前のスイーツ。日本の方々に向けて、甘さを控えめにしたレシピを教えます。

 

馬田草織 Saori Bada

食と文化をテーマに『料理通信』『dancyu』など雑誌、書籍、WEBなどで取材・執筆を行う。長く旅したポルトガルに惹かれ、旅で出合った味のお裾分けを少人数で楽しむ「ポルトガル食堂」を主宰し、料理家としても活動。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』(産業編集センター・幻冬舎文庫)、『ポルトガルのご飯とおつまみ』(大和書房)。ウェブメディア「cakes」にて「ポルトガル食堂」を連載中。2019年春に、食旅エッセイを出版予定。https://badasaori.blogspot.com インスタグラム:@saoribada

 

photos:JUN HASEGAWA, réalisation:SAORI BADA

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