家で楽しむ世界のビール。 #01

いま飲みたいのは、軽快で爽やかな下面発酵のビール。

ビールの味は、発酵方法の違いによって大きく変わることをご存知だろうか。爽快感がたまらないおなじみのラガービールのほかに、造り手や土地の個性を色濃く反映する多彩なエール、そして強い酸味が特徴的な自然発酵のビールも存在する。ビールは知れば知るほど楽しく、おいしくなる!

特集

July 2, 2019

デパートや酒販店、オンラインショップで、いまや国内外の多彩なビールが手に入る。でもそれぞれの味の違いは? 自分好みのビールをどうやって見分けたらいい? あらゆるお酒に精通する友田晶子さんが、ビールの基本を解説!

文・選:友田晶子(ソムリエ/トータル飲料コンサルタント)

ビールの魅力はバラエティの豊富さです。自分好みのビールをセレクトしていただくために、まずは、ビールの基本の分類法を伝授します。
種類分けもいくつかあるのですが、まずは基本の「発酵方法の違いによる分類」を押さえておくと、味わいの違いがわかりやすく、ビール選びにもきっと役立てていただけるはずです。

〈発酵方法の違いによる分類〉
○下面発酵
「ラガービール」とも呼ばれ、日本人には最もなじみ深い。チェコ発祥のピルスナーやドイツで生まれたヘレス、ドゥンケル、ボックなどのスタイルがある。
○上面発酵
原料の風味を感じられるのが特徴。ペールエールやIPA、白ビールとして知られるヴァイツェン、ドイツ特有のケルシュやアルト、黒ビールのスタウトなど。
○自然発酵
ベルギーのブリュッセル郊外で造られる、ランビックと呼ばれるスタイル。その土地に住む酵母菌を使い、自然発酵させて造る。非常に酸味が強いのが特徴。

アルコール発酵には、糖分をアルコールに変えてくれる微生物「酵母菌」が必須。この酵母菌の違いで、すっきり軽快な味わいから、ぐっと濃厚で個性ある味わいまで、さまざまに造り替えることができます。

coedo_shiro_80_54.jpgすっきり軽快なのどごしが魅力、
下面発酵のビール。

発酵の際に、酵母が発酵する麦汁の下に集まるので「下面発酵」と呼ばれる。低温でゆっくり発酵させるのが特徴で、明るい麦わら色で濁りのない、すっきり軽快で癖のない味わいになる。19世紀に生まれた近代的なビールで「ラガービール」とも呼ばれ、日本の大手ビールはすべてこのタイプ。また日本のビールが参考にしたのが、チェコ、ピルゼン生まれのピルスナー。下面発酵ビールの中でも伝統的で通好みのおいしさが世界中で評価されている。

また、オクトーバーフェストで何杯もジョッキで飲まれるミュンヘンビールや、色は黒くても軽快な味わいのシュヴァルツ、バドワイザーに代表されるアメリカンビールもこのタイプ。

すっきりとのどごしよく楽しみたい時はこれを選んで。うんと冷やしてもおいしい。グラスは細長いものからジョッキまで、ぐびぐび飲める形状がおすすめ。冷やして飲む時は、薄手の繊細なグラスもOK。日本のラガーは、不思議なことに刺し身など魚介との相性がいい。海外のラガーはハムやソーセージなど軽い肉料理がいい。意識してみて。

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しっかり冷やしたい、飲み慣れた味。

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左から、ブドバー、ピルスナーウルケル、富士桜高原麦酒 ピルス、金しゃちビール青ラベル〈ピルスナータイプ〉、コバトンビール
グラス〈ビールクラシックス〉ピルスナー(2個入り)¥3,240/シュピゲラウ(リーデル青山本店内)

下面発酵のビールの中で、最も日本人にとってなじみ深いのがピルスナー。ヨーロッパの歴史ある逸品から日本各地の個性を反映したビールまで、味わいの違いを飲み比べてみたい。

(写真左から)
ブドバー(ピルスナー/チェコ)
バドワイザー誕生のもとになった、700年の歴史を持つビール。軽やかだけれど炭酸は強く、少し苦味もあり、まさにバドワイザーの元祖といえる味わい。
330ml ¥360(編集部調べ)/アイコン・ユーロパブ
ピルスナーウルケル(ピルスナー/チェコ)
ピルスナーの基本中の基本の味わい。モルトの香ばしさがあり、ホップの苦味もあって、バランスが素晴らしい。真のビール好きに愛される、通好みのビール。
330ml 350(参考小売価格)/アサヒビール
富士桜高原麦酒 ピルス(ピルスナー/日本)
透明感のある明るい麦わら色。クリーミーな泡、フルーティで華やかな香り。軽快でのど越しも気持ちいい。クリームやマヨネーズを使った魚料理と。
330ml 475/富士桜高原麦酒
金しゃちビール青ラベル〈ピルスナータイプ〉(ピルスナー/日本)
名古屋城の金のしゃちほこがトレードマークのビール。炭酸が強く、ホップがしっかり利いていて苦味がある。揚げ物など油を使った料理と合わせたい。
330ml 356/盛田金しゃちビール *写真のラベルは同社お土産2本セットのもの
コバトンビール(ピルスナー/日本)
琥珀色がかっているが透明度がある。フラワリーでキャンディのような香り。苦味は少なく、なめらか。しっかり冷やして最初の一杯に飲むのがおすすめ。
330ml 356/麻原酒造

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幅広い料理に寄り添う、多彩なスタイル。

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左から、甲斐ドラフトビール ヘレス、ホフブロイ・オリジナル、ヴァルシュタイナー・ドゥンケル、ケストリッツァー シュヴァルツビア、エク 28、富士桜高原麦酒 ラオホ

ピルスナーと似ているけれど味わいはより麦芽の旨味を感じるドイツ・ミュンヘン生まれのヘレス、カラメル麦芽を使った色の濃いドゥンケル、詩人ゲーテにも愛された、色が黒くローストした麦芽の風味が特徴のシュヴァルツ、アルコール度数が高くコクのあるボック、燻製の香りのラオホ……シチュエーションや料理に合わせて、それぞれのスタイルを楽しんで。

(写真左から)
甲斐ドラフトビール ヘレス(へレス/日本)
少し濁りがあり、フルーティで苦味は少ない。香ばしさもあり軽くなめらかで、何杯でも飲める。生ビールも販売されており、日本のビールの中で人気が高い。
500ml 756/大和葡萄酒
ホフブロイ・オリジナル(ピルスナー/ドイツ)
明るめの麦わら色。オクトーバーフェストで、大きなジョッキで何杯も飲むビール。軽快であっさり爽やかで、少し酸味もある。一杯目に飲むのに最適。
500ml 460(編集部調べ)/日本ビール
ヴァルシュタイナー・ドゥンケル(ドゥンケル/ドイツ)
やや暗いアンバー色。泡はキメ細やか。心地よい酸があり、黒豆を思わせる香ばしさもあってバランスがよく、品格ある味わい。和食や炭火焼きに合わせたい。
330ml 421/小西酒造
ケストリッツァー シュヴァルツビア(シュヴァルツ/ドイツ)
濃厚な色合い。泡立ちがよく、香りは強めでややスモーキー。味わいはドライで軽快。酸味もありバランスがよく、後味もすっきり。軽めのおつまみが合う。
330ml 475(編集部調べ)/大榮産業
エク 28(ボック/ドイツ)
ビスケットのような香ばしさ。強くて濃く、アルコール度数が11%とワイン並みなので、少しずつ味わいながら飲んで。中華料理やスパイシーな料理と。
330ml オープン価格/廣島
富士桜高原麦酒 ラオホ(ラオホ/日本)
深いブラウンで、泡はキメ細やか。「いぶりがっこ」のような軽いスモークの香り。しっかり炭酸を感じ渋みもあるので、焼き肉やバーベキューなどに。
330ml 475/富士桜高原麦酒

アイコン・ユーロパブ www.ikon-europubs.com
アサヒビール www.asahibeer.co.jp
富士桜高原麦酒 www.fujizakura-beer.jp
盛田金しゃちビール www.kinshachi.jp
麻原酒造 www.musashino-asahara.jp
大和葡萄酒 www.yamatowine.com
日本ビール www.nipponbeer.jp
小西酒造 www.konishi.be
大榮産業 http://daieisangyokaisha.com
廣島 www.worldbeer.co.jp

シュピゲラウ(リーデル青山本店内) Tel. 03-3404-4456

*ビールの購入については上記を参照の上、お近くの酒販店やデパート、オンラインショップなどをご利用ください。
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友田晶子 Akiko Tomoda
ワインや日本酒、焼酎、ビール、ウイスキー、カクテルなど、あらゆるお酒に精通するトータル飲料コンサルタントとして、セミナーやイベント、また飲食業界のプロ向けにコンサルティングなどを行う。世界初のバイリンガル日本酒本『世界に誇るー品格の名酒』(ギャップ・ジャパン刊)など著書も多数。2016年より、一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会(通称:SAKE女の会)を主宰。17年、フランスのワインコンクール「フェミナリーズ世界ワインコンクール」名誉会長に就任。
www.akikotomoda.com

【関連記事】
いま、ビールについてもっと知りたい! INDEX
#02 造り手の個性が光る、上面発酵のビール16選。
#03 イメージが変わる! 通に愛される自然発酵のビール。

photos : TETSUO KITAGAWA, stylisme : MARIKO HIROMATSU

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