今日のプチデジュネ、デジュネ、ディネ。#11 美しくて栄養たっぷり、青海さんのおうちご飯。

Gourmet 2020.05.21

外出自粛が続き、誰もがおうちご飯を作る機会が増えているはず。
料理上手なあの人は、どんなおうちご飯を作っている? フィガロでおなじみの料理家やフードコーディネーター、フードライターたちが、とある1日のプチデジュネ(朝食)、デジュネ(昼食)、ディネ(夕食)を紹介します。今回は「ホームパーティレシピ」を連載中のパーティ料理研究家でワイン・チーズのプロフェッショナルの青海七生さん。


写真・文/青海七生(パーティ料理研究家)

petit déjeuner

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私の朝食は、基本的にドリンクのみ。というのも、仕事柄、できるだけ早い時間に料理を作り始め、午前中の光が綺麗なうちに料理を写真に収めるのが日課です。

朝ご飯をしっかり摂ってしまうと、お腹も気持ちも満足してしまい、料理をする意欲が出ないうえ、アイデアもピタッと出てこなくなってしまうので、午前中は飲み物だけに限定しています。

最近は、季節のフルーツと豆乳、蜂蜜に、天然塩をひとつまみ加えミキサーで合わせスムージーを作っています。今朝は、苺のスムージーにしてみました。真っ赤な外観とは裏腹に、涙が出るほど酸っぱかったので(私は酸味が大の苦手)、蜂蜜をたっぷり加え、おいしくいただきました。

蜂蜜は、生命エネルギーが豊かなうえ、美容面、健康面はもちろん、殺菌作用もあるそうです。このようなご時世、免疫力アップのためにも、蜂蜜を意識して摂るようにしています。

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déjeuner

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結婚を機に、2019年よりフランス・ボルドーに住んでいます。結婚式を挙げるため、20年3月に一時帰国をしたのですが、コロナの影響でキャンセル交渉に追われる日々となりました。フランスに戻る予定も立てられず、しばらく実家に滞在しています。

いつか、フランスでオニギリ屋さんをやってみたいので、時間を見つけてはオニギリを研究する日々です。ランチは、お取り寄せをした宮崎県都農町の宮崎牛を使って、肉巻きおにぎりを作ってみました。

口の中でとろけるなめらかな肉質にうっとりしたのはもちろん、特筆すべきは、一緒に送られてきた焼肉のタレ。濃厚なコクと甘みが絶妙で驚きました。焼肉のタレを使う機会がほとんどないので、新しい発見になったかも。

外出自粛が続き、スーパーの食材だけだと飽きてきそうですが、時々お取り寄せをして、新しい食材と出合ったり、ちょっぴり贅沢を楽しんだりしながら、生産者さんを応援できることは、消費者としても微力ながらうれしいです。

肉巻きオニギリを作るのに、思っていたより時間がかかってしまったので、おかずは、プチトマト、茹でた空豆、卵焼き、切り干し大根のナムルにしました。

切り干し大根のナムルは、切り干し大根(50g)をお水(1ℓ)で20分戻し、米酢、砂糖、昆布茶(各小さじ1)、胡麻油(小さじ2)、塩(ひとつまみ)で味付けをし、2cmに切った三つ葉と混ぜてみました(肉巻きオニギリの味が濃いので、塩分控えめな仕上がりです)。コリコリとした食感も楽しめ、地味な切り干し大根とは思えない仕上がりです。火を使わなくて済むのも気に入っています。

切り干し大根の戻し汁を捨てるのがもったいなくて、どうにかならないか調べてみたところ、戻し汁は、カリウム、カルシウム、鉄分やビタミンB1、B2も豊富なうえ、なにより旨味がすごい、とのこと。せっかくなので、切り干し大根の戻し汁に鰹出汁パックと冷蔵庫の残り野菜を加えて、お味噌汁にしてみました。

切り干し大根の匂いが強いかと思ったら、味噌のお陰なのかまったく感じません。それより大根の自然な甘みが加わり、普段よりグッとまろやかなお味噌汁になりました。家族も「いつもより甘みがあっておいしい」と、違いを感知していました。

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dîner

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夕飯は、夏野菜をたっぷり使ったラタトゥイユとサラダにしました。

このラタトゥイユは、フランス留学時代、地元の子に教えてもらった本場仕込みのレシピです。夏野菜が手に入る時期になると、毎年数え切れないくらい何度も作っています。余ったら、翌日パスタと絡めたり、サンドウィッチにしたり、グリルしたお肉やお魚の付け合わせにしたり、アレンジが楽しめます。野菜だけとは思えないコクのあるおいしさです。

たっぷりのオリーブオイルで、ナス、ピーマン、ズッキーニを丁寧に30分炒め、トマト缶を加えて煮込みます。最後に塩と砂糖で味を調整し、余熱でとろけるチーズを溶かしたら完成です。30分間炒めるのは時間がかかりますが、おいしさを引き出す大切なポイントです。熱を加えることで変化していく野菜の様子を、じっくり静かに観察することは、私にとって、瞑想のような豊かな時間です。

サラダは、以前生ハムおにぎりを作った際に残った生ハム、お昼に残った空豆、レタスを使ってサラダにしました。ドレッシングは、玉ネギ(80g)、サラダオイル(大さじ4)、寿司酢(大さじ2)、塩・砂糖(各ひとつまみ)をミキサーにかけたものです。寿司酢の甘みがきいた、まろやかで食べやすい味わいです。私の主宰するお料理教室でもTOP3に入る人気ドレッシングです。

★レシピはこちら
本場仕込みのラタトゥイユ
ピンクと白のドレッシング

青海七生 Nao Aoumi

パーティ料理研究家

フランス独立記念日と同じ7月14日生まれ。「きっとフランスに縁があるのよ」と両親に言われ続け、大学では仏語を専攻し留学も経験。仏系証券会社勤務、南仏でのレストラン研修……とフランスと関わる人生を歩む。現在は「ワクワクしてる?」をコンセプトに、ビジュアルも含めて食の楽しさを伝える料理教室を主宰。各メディアにレシピを提供する傍ら、メドックマラソンやボルドーでのワイン研修に参加するなど、渡仏&食の探求を欠かさない。ワインエキスパート、チーズプロフェッショナル資格取得。
BRUNCH : https://brunch-nao.amebaownd.com

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photos et texte : NAO AOUMI

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