うつわディクショナリー食堂 #3 kermisのフレンチをあの人のうつわで

うつわディクショナリー食堂#3へようこそ

うつわディクショナリーでこれまで紹介した作家さんのうつわ(著者私物)を使いながら楽しむ「うつわディクショナリー食堂」。気になるうつわを見つけたら作家名をクリック!インタビューページに飛び込んで、親しまれるうつわが生まれた背景を知っていただけたら嬉しいです。ステイホームが続く中、うつわ店やギャラリーはオンラインショップを充実させているのでチェックしてみてください。(衣奈彩子)
 
素材にこだわりぬいたフランス料理は
土の味わいのある焼物で受け止める。
 
今回テイクアウトしたのは、ポップアップレストランやケータリングを中心に活動する「kermis」のフランス料理。某有名フレンチレストランを経て独立したnobuシェフが、前菜からスープ、肉料理まで本格的な味を食べさせてくれます。とくにこだわっているのは、素材の良さと組み合わせ。「おまかせおつまみセット」では、有機栽培のビーツをフムスにしたり、シャキシャキと新鮮な胡瓜につぶ貝のコリコリ感を合わせてほんのりカレー風味に仕上げたり、スパイスによるアレンジも絶妙な手のこんだ献立が約10種も!お酒が進むったらありません。肉料理も二種オーダー。
 
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メイン料理には、
フラットな陶器のお皿をセレクト。
 
テイクアウトとはいえ本格的なフランス料理。自宅でいただくならどんなうつわで迎えようか。いつも以上にワクワクしてしまった夜でした。「黒毛和牛ホホ肉プロヴァンス風煮込み」と「木下牛ハンバーグのグリーンペッパークリーム煮込み」は、お店でコース料理をいただく時のように余白をいかして盛り付けることのできる、大きめで平たいものがよいに違いない。ということで、掛江祐造さんの丸皿と三笘修さんの四方皿を選びました。ふだんは、サラダとか買ってきたお寿司とかをのせる盛り皿として使いますが、今回は、ひとり一皿で。
 
どちらも釉薬の流れが生んだ表情に味わいのあるお皿ですが、そのままだとやや和風なので、パープルのクロスを合わせてみたら、いい感じに洋風にスタイルアップしそうな予感。nobuシェフのアドバイスで「おつまみセット」のなかの「パニス(ひよこ豆のフライ)」と「マッシュルームと新玉ねぎのサフランマリネ」をお肉のサイドに添えることに。シェフの仕草を真似て煮込みのソースを美しく流したくて……、緊張しましたがなんとか美味しそうに盛り付けできた、でしょうか。
 
メイン料理を置いてみると、真ん中に全体を引き締める色のうつわが欲しくなりました。そこで今井律湖さんの赤茶色のオーバル皿を置いてみたら、大成功。つやのある飴釉に「おつまみセット」のカラフルな食材たちが映える、映える!
 
ビールは陶器のカップで、
ワイングラスは低めに。
 
焼物、特に備前焼でビールを飲むと泡がキメ細かくなって美味しいとよく言いますよね。あいにく備前の土を使ったグラスはないのですが、鈴木麻起子さん二階堂明弘さんのカップを冷蔵庫でキンキンに冷やしておきました。少し暑くなってきて、リモートワークは気分転換が難しいところもあり、最初の一杯はビールで。うん、美味しい!
 
おつまみは、ひとつひとつ味がしっかりしているかわりに、ホホ肉の煮込みはとろける美味しさながらソースはあっさり。牛にストレスをかけずに育てる近江・木下牧場の木下牛を使ったハンバーグは、噛めば噛むほど出てくる肉汁とクリーミーなソースの相性が絶妙です。
 
ワインは、白から赤まで合わせたいお料理ですが、お家なのでグラスはひとつで。焼物のビアグラスに合わせて低めなものがあれば、カジュアル感をくずさずよいと思います。ワイングラスではなくコップでも十分。コップ酒ならぬ、コップワインも気軽でいい。
 
ひとり分のテイクアウトならこちらがおすすめ。
 
ひとり分なら「おまかせおつまみセット」がとにかくおすすめ(前日までに予約を。テイクアウト受付は5月31日まで)。日替わりですが、パンやプチデザートまで網羅しています。この日は、京都七谷鴨のパテ/有機ビーツのフムス/広島ブーランジェリーdeRianさんのパン/シラスと青のりのアランチーニ/つぶ貝と胡瓜のカレーマリネ/マッシュルームと新玉ねぎのサフランマリネ/あおりイカのバスク風/ジャガイモのヴィシソワーズ/パニスとサワークリーム/kermisチーズケーキの10種。掛江祐造さんの丸皿いっぱいに盛り付け、スープは三笘修さんのボウルに。鈴木麻起子さんのカップは、135mlのお一人用ビール(ミニ缶)が泡までちょうどぴったり入りますよ。
 
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【PROFILE】
kermis
ポップアップレストランやケータリングで活動。前菜、肉料理はもとより「おまかせディナーセット」としてコース料理もテイクアウト可能。2020年5月31日までの予定。
テイクアウト:当日15時までの予約。ピックアップは13:00〜20:00
定休日:日曜日、月曜日。念のためインスタグラムで確認を
https://www.instagram.com/kermistokyo/?hl=ja
テイクアウトの注文は、インスタグラムのDMかメールアドレス(kermistokyo@gmail.com) にて。
「おまかせおつまみセット」「おまかせディナーセット」は前日までに予約が必要です。

photos:TORU KOMETANI realisation:SAIKO ENA

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