アプリコットとベルガモットミントサラダで夏の朝ごはん。
7月も後半に入り、やっと夏の青空が広がった。朝は18度前後、午後は30度近くまで上がり夏らしさを満喫できる気持ちの良いお天気で、連日、洗濯物日和だ。昼間は少し暑いから、キュウリの端っことミントを水に入れるようになった。クーラーのないパリ生活では、キュウリウォーターを飲んで涼しさを得るようにしている。
それと並行して、マルシェの生産者のスタンドに並ぶ果物も、赤からオレンジに移行していた。イチゴとフランボワーズとサクランボの赤が陣取っていた場所は、アプリコットとメロンに取って代わられた。トマトも、赤だけじゃなく黄色いチェリートマトが出てきて、彩が楽しげだ。
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いつも野菜を買うスタンドは2軒ある。うち1軒は、ノルマンディー地方からやってくる生産者で、水菜や壬生菜、春菊など、日本の葉野菜も作っているのだが、夏になると紫蘇も登場する。
それでハーブのかごを覗いていたら、2週間ほど前、馴染みのない葉を見つけた。訊いてみると、「ベルガモットミント」と言う。「ベルガモットだから、少しアールグレイのような香りがしますよ」と1枚、味見用に渡された。たしかに! 噛むと、最初はミントで、そこから苦味がやってきて、最後にほのかにアールグレイの風味がした。
買って帰って、早速、ハーブ・ティーにしてみる。一把は結構な量だから、たっぷりと使った。それを味わいながら、これはフルーツとサラダにしたいなぁ、アプリコットといいんじゃないかなぁ、と想像が膨らむ。モモとも間違いなくおいしいだろうけれど、まず、アプリコットのオレンジに丸みのあるグリーンの葉と、真っ白なチーズを合わせたいと思った。
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それで向かったのは、11区にあるモツァレラチーズ店の「nanina」。店内に工房があり、オーヴェルニュ地方から週に2度届く生乳を使って、チーズを生産している。モツァレラにブッラータ、紐で吊るされたスカモルツァ、どれもおいしいのだけれど、今回の目当てはリコッタ。この店のリコッタは、しっとりしてパサつき感がなく、ほんのひと匙と思って食べても、気づけば半分くらいなくなっている。蜂蜜と胡椒をかければ、それだけでとびきりおいしいデザートだ。
甘いお皿にしようかなぁ、それとも塩気も加えようかなぁと考えながら家に帰り、一把買ったラディッシュの葉がくたっとしそうだったので、オリーブオイルと一緒にハンドブレンダーでペーストにした。味付けはフルール・ド・セルだけ。
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翌朝。
野菜を買うのとは別のマルシェに土曜だけ出店する養鶏家のスタンドで買った鶏肉のソーセージも食べちゃわなくちゃと気づいて、茹でることにした。
前夜作ったラディッシュの葉のペーストは、リコッタと混ぜあわせようかと思っていたけれど、チーズを白いままにしておきたい気分になったので、キュウリと和えることにした。
キュウリは、他のものと一緒に皿に盛る場合、皿に水分が出てしまわないように、大抵、塩もみをして水気をぎゅっと絞ってから味付けする。
オレンジ(色)つながりでメロンも切ろう、と切ったそばから少し味見をしたらとても甘い。それで、蜂蜜はかけずに、全体にオリーブオイルを散らすように数滴回しかけ、ほんの少しアプリコットにフルール・ド・セルをふるだけの、調理はおろか、味付けさえほとんどしない朝ごはんの出来上がり。
今日の朝ごはん
・アプリコットとベルガモットミントのサラダ
(皿に盛ってからフルール・ド・セルを少しふりかける。
*ベルガモットミントがなければ、ミントやバジルで!)
・naninaのリコッタチーズ
(黒コショウを少し挽く)
・キュウリのサラダ
(塩もみして水気を切りラディッシュの葉のペーストで和える)
・メロン
・鶏肉のソーセージ
*パン以外の部分全体に、オリーブオイルを数滴回しかける
・brut de painsのパン “meule”
・grande épicerieのコーヒー、ブラジル・サントス
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