進化するドッグフード&サプリ最新事情 ドッグフードとサプリ、日本ではどう進化している?
Lifestyle 2023.06.15
犬の健康寿命が年々伸びる昨今、注目されているのがドッグフード。安全が可視化された食材の使用は当たり前、犬種や体質に合わせてセレクトできる時代に。気になる日本&海外の最新フード事情をレポート。
キーワードは、ヒューマングレード。
「最近の傾向は、“猫まんまからの原点回帰”と言えます」と語るのはペトコトフーズや保護犬猫マッチングサイトOMUSUBIを運営する大久保泰介代表。1970年代、人間の残りものを食べる飼い犬が多かったが、その後ドライフードが台頭。利便性はよくても、何が入っているのか見えない不透明さに愛犬家の大久保は疑問を感じたと言う。そこで人間同様、選ばれた食材で、栄養バランスを考えたフレッシュフードを開発。日本では2020年以降、徐々に広まっている。トレンドとして、飼い主の趣向に合わせたヴィーガンや、高齢化に伴う老犬向けフードも増加。ペットを我が子のように育てるペット・ヒューマナイゼーション現象が、ペットフード界にも起こっている。
結婚を機にコーギー犬コルクに出合い、愛犬家に。ドッグフードのあり方をいちから考え、フレッシュフードの先駆けとしてペトコトフーズを立ち上げ。
@taisuke.okubo_cork
ウワウワ
ウワウワのメニューは、料理に使うエナジー水から自家製。食材はもちろん無農薬&自然栽培のもので、化学調味料も不使用。人気の「鹿の重ね煮」は、素材本来の旨味が引き出され、優しい甘味がある。そのほか、ササミ、鶏ムネ肉、鹿肉、砂ズリ、糀菌で漬けこんだジャーキーは腸活にも最適。
京丹波自然工房 ジビエ専門 愛犬フードショップ
ジビエで有名な京丹波エリア。この地で長年、一流ホテルや百貨店に肉を卸す専門店がここ。全頭トレーサビリティを確立し、人間用と同じ食肉処理施設で加工した生肉やレトルト、ドライジャーキーなどを販売する。「鹿肉ごはん」は、豊富な栄養素を持つジビエを原材料にしたシグネチャーメニュー。
ワンズデイリー
お菓子料理研究家として、多数の本を出版する森崎繭香。彼女が立ち上げたのが、人と犬が一緒に食べられる商品。クッキーは小麦粉・卵・乳製品不使用。国産ニンジンとサンふじ、米粉を使った「にんじんクッキー」は、噛みごたえのある食感で、噛めば噛むほど、食材の甘味がにじみ出る。
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ペトコトフーズ
ニュージーランドの獣医師と開発。ヒューマングレードをテーマに、国産食材をスチーム加熱&急速冷凍。解凍するだけで、栄養抜群、フレッシュなごはんを楽しめる。パッケージに愛犬の名前を入れるサービスや、定期便利用で社内獣医師による365日緊急獣医療相談窓口も活用できる。
バウワウ
ペースト状のおやつと、サプリメントを展開。人工香料、着色料、増粘剤不使用のおやつは、関節のサポートならグルコサミンとコンドロイチン入りなど、用途に合わせて選択可。サプリメントは、フレンチブルドッグ用は免疫維持、関節・泌尿器の健康など犬種に合わせて栄養成分を調合している。
犬用自然派ごはんとおやつ専門店 イリオスマイル
パピーからシニア用、飲み物からごはんまで、自然派にこだわった犬用食品を豊富にラインナップ。加熱されたものよりも生きた酵素を摂取できる、熊本直送の「生馬肉パラパラミンチ」は人気ナンバーワン。飼い主と一緒に楽しめる“飲む点滴”と言われる甘酒は、キウイ味など6つのフレーバー。
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フーディ・ドッグス・トーキョー
農作物対策で捕獲された野生の鹿やイノシシ、規格外野菜をアップサイクルしてドッグフードに。今年リリースされた「海のおやつシリーズ」は、山口県周南市の魚介類卸売会社とコラボレーションし、これまで廃棄されてきた刺し身の切れ端を利用。ブリや片口イワシ、冬季にはフグも登場する。
イイコ
シックな缶の中に詰まったカラフルな包み。デザインは、人間も犬も、年齢、性別、国籍も問わない“ボーダレス”がコンセプト。栄養価を考えたフレーバーは、小松菜やニンジンをベースにしたライスクッキーや、オートミールなど。防湿性・遮光性・密閉性のある缶は、ギフトにもぴったり。
ハイジェニック シングル イングリディエント フード
多くの名店に肉を卸して50年余り。精肉卸業界の雄が、愛犬を可愛がるあまり始めたのがペットフード作り。とはいえクオリティは人間用と変わらず。塩を含め、添加物や酸化防止剤は不使用、グルテンフリーなのでアレルギーのある犬でも安心。飼い主は、オリーブ油や塩をかけてどうぞ。
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>>お国柄が出た、世界のペットフード事情。
*「フィガロジャポン」2023年7月号より抜粋