無理なく始める、これならできる、デジタルデトックスのすすめ。
Lifestyle 2024.02.18
桐村里紗
前回は屋久島でのデジタルデトックスの体験談をお話しました。
私の場合は4日間、デジタル機器に触れない環境での合宿で、半ば強制的にデジタルデトックスが叶ったのですが、そんなふうに環境が整わないと実践には踏み切れないという人に向けて、極端な制限なく、健康的なデジタルライフを築くためのコツについてお話しします。
まず、満足のいく睡眠がとれていない人。
デジタルデトックスは睡眠の質の向上に繋がります。スマホやパソコンの夜間の使用は、ブルーライトの刺激によって、睡眠リズムを乱すことが知られています。
暗くなってからブルーライトを目にすると、脳が昼だと勘違いしてしまうのです。
photo: shutterstock
周りが暗くなったらスマホもパソコンも、オフ。
特にスマホを寝室に持ち込み、就寝前に画面を見る習慣はNG!
夜はオフの時間と決めてデジタルデバイスと決別し、ゆったり過ごしましょう。
自然な眠りに導かれ、翌朝の目覚めも良くなるはず。
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次に、食事の時間。
食事は、味覚だけでなく視覚や聴覚、嗅覚、触覚と五感をフル活用するマインドフルな行為です。
せっかくの食事の時間にスマホを見ていては、もったいない。
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食事中の30分間はスマホを使用しない、といった習慣を作ることで、デジタルから解放される時間を確保できます。
これにより、リアルな瞬間に集中し、食べ物をおいしく味わいながら、心もお腹も満たされます。
消化も良くなりますし、満腹感が得られるのでダイエットにも。
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また、アプリの通知を見直すこともスマホデトックスの一環です。
スマホの通知は、実は脳を疲弊させています。
通知が鳴るたびにスマホが気になり、つい手にして見てしまいませんか?
その反射的な行動が、集中力を分散させる原因となります。
重要な通知以外はオフにし、自分が決めたタイミングで情報を受け取ることで、脳のストレスを減らし、ペースを保つことができます。
慣れてきたら、もっと長時間のデジタルデトックスにチャレンジしてみましょう。
週末や休暇中には、スマホをOFFにしてアナログな時間を楽しむことで、心身のリセットを図ることができます。
ネイチャーウォークや読書、趣味に没頭して、身体と心をフル活用しませんか。
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在宅ワークが増えてからというもの、仕事をプライベートに持ち込んで境界線がはっきりしなくなっている人も多いのではないかと思います。
完全にデジタルデトックスの日を作ることで、それ以外の日に仕事に集中し、オフの日は仕事を全く忘れて解放されるというメリハリがつきます。
デジタルから完全に切り離された生活はできないものの、脳や時間まで支配されては元も子もありません。
デジタルデトックスは、デジタルとアナログのバランスを取り、豊かな生活を築くことに繋がります。
無理なく取り入れ、自分にとっての心地よい付き合い方や距離感を見つけることで、より健康的で充実した日々を送ることができますよ。
桐村里紗
医師 / tenrai株式会社 CEO
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルス」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」など、ヘルスケアを通した社会課題解決を目指し、さまざまなメディアで発信、プロダクト監修などを行なっている。また、東京大学工学系研究科道徳感情数理工学・光吉俊特任准教授による社会課題を解決する数式「四則和算」の社会実装により人と社会のOSをアップデートすることを掲げたUZWAを運営。現在は、東京と鳥取県米子市の2拠点生活を送り、土と向き合う生活を送っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演するなどメディアでも活躍し、新著『腸と森の「土」を育てる 微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)が話題。
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